JRA-VANコラム
【毎日王冠×過去データ分析】距離や競馬場の実績が重要!
今週末から秋の東京・京都開催がスタートする。今回取り上げるのは日曜の毎日王冠。東京芝1800mで開催される伝統のG2戦を、過去10年のデータから展望していこう。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
過去10年で1番人気が7勝を挙げ、延べ30頭の1~3着馬のうち25頭を1~5番人気が占めるように、基本的には上位人気馬が強い。ただし、過去10年でもっとも荒れた14年はG1未勝利馬が1~5番人気に推され、8→11→5番人気の決着だった。G1馬の登録がなかった今年は、14年と少し似た様相にあることは頭に入れておいていいかもしれない。
芝1800mの実績について調べたのが表2。すると、芝1800mで連対率100%だった馬が5勝を挙げ、複勝率は4割を超えることがわかった。なお、芝1800m未出走で好走した20年1着のサリオス、21年1着のシュネルマイスター、23年2着のソングラインにはG1馬という共通項があるが、前述したように今年はG1馬の登録がない。
東京芝の実績について調べたのが表3。すると、東京芝で連対率70%以上だった馬が5勝、複勝率6割弱を記録していることが判明した。そして、この条件で連対率70%未満だった馬とは、勝率や複勝率で大きな開きがある。なお、東京芝未経験で好走した唯一の馬である23年1着のエルトンバローズは、芝1800mで4戦4連対と距離実績は十分だった。
前走G1の場合、その前走が芝1600mで1~3着だった馬は有望、4着以下だった馬は苦戦という傾向が出ている。もっとも、今年は前走芝1600mG1出走の登録馬がなく、このデータを活用できるのは来年以降ということになる。
では、前走が芝1600m以外のG1だった馬はどうかといえば、1~3着だった馬が有力となることは同様。また、4着以下から好走した馬が3頭おり、前走で芝1600mG1のケースより巻き返しの可能性を秘めている。
前走G2・G3の場合、好走は「前走芝1600~2000mで1~9着」だった馬に限られる(表5)。これをクリアできなかった馬の好走例はないから、絶対条件と言っても大げさではあるまい。なお、前走が重賞以外だった馬では14年3着のスピルバーグが唯一の好走例で、同馬はメイSまで東京芝1800mで3連勝中というコース巧者だった。
【結論】
ダノンエアズロックの巻き返しに期待
表2の項で述べた「芝1800mで連対率100%」にはオフトレイル、シックスペンス、ダノンエアズロック、ニシノスーベニア、ホウオウビスケッツ、ヨーホーレイクの6頭が該当。また、表3の項で述べた「東京芝で連対率70%以上」にはダノンエアズロックとローシャムパークの2頭が該当する。となると注目すべきはダノンエアズロックで、同馬は東京芝1800mで2戦2勝のコース巧者である。
前走G1(海外を含む)組は、5頭とも「芝1600m以外」「前走4着以下」に該当する。前述したダノンエアズロックのほか、芝1800mもしくは東京芝の連対率条件を満たすシックスペンス、ローシャムパークの名前を挙げておく。
最後に前走G2・G3組は、絶対条件とも言える「前走芝1600~2000mで1~9着」を満たすのが8頭中6頭。そのうち芝1800mもしくは東京芝の連対率条件をクリアするオフトレイル、ニシノスーベニア、ホウオウビスケッツ、ヨーホーレイクの4頭を、前走G2・G3組の注目馬としたい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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