JRA-VANコラム
【朝日杯FS × 過去データ分析】前走1着が必須。ただしその中身も大切!
今週は土曜に中山で牝馬限定のハンデ重賞のターコイズS、日曜に京都で2歳マイル王決定戦の朝日杯FSと2鞍の重賞が組まれている。今回はレース史上初めて京都競馬場で行われる朝日杯FSをピックアップ。阪神競馬場で行われた直近5年のデータから今年の朝日杯FSで狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は近5年の前走着順別成績。前走1着馬が勝ち馬5頭を含む3着以内馬14頭と好走馬の大半を占めている。前走1着馬の前走人気では黄色で強調した前走2番人気以内だった馬の好走が13頭と多い。このことから前走2番人気以内で勝利した馬が朝日杯FSでも結果を出していることが分かる。
前走2着馬の好走は一昨年2着のダノンタッチダウン(前走デイリー杯2歳S2着)の1頭のみ。前走3着以下からは3着以内馬が出ておらず、巻き返しは厳しい。
表2はキャリア別成績で、3着以内馬はすべて1~3戦の馬から出ている。勝率・連対率が高いのが2戦の馬で、昨年のジャンタルマンタルら大半の4勝をあげている。2戦の馬の前走クラスを探ると、3着以内馬9頭中8頭は前走同クラスのオープン・重賞を使われていた。新馬戦で勝利して2戦目にオープン・重賞を使われた馬は連対率が43.8%、複勝率が50.0%と非常に高い。なかでも前走1着だった馬は【4.2.1.4】で連対率54.5%・複勝率63.6%と一際優秀だ。キャリア2戦でも前走が1勝クラスもしくは未勝利戦だった馬は3着1回のみに終わっている。
3戦の馬は20年グレナディアガーズが勝利するも、複勝率14.3%で2戦の馬に差をつけられている。新馬戦を勝ったばかりの1戦の馬は連対こそないものの、3着2回で複勝率50.0%と注意が必要だ。
表3は前走上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬が一昨年のドルチェモアら3勝をあげ、複勝率39.4%。この中で前走1着馬は複勝率42.9%と優秀だ。複勝回収率でも100%を大きく超えている。前走を上がり最速で勝利している馬が好成績を残している。
前走上がり2位の馬は21年ドウデュース、昨年のジャンタルマンタルの2勝。この両馬はともに前走1着だった。前走上がり3位以下からは好走馬が出ておらず、前走上がり2位以内で勝利をおさめた馬が結果を出している。なお、今回と同じ京都芝1600mで行われた先週の阪神JFでも前走上がり1位の馬が上位3着までを独占している。
表4は生産者別成績。出走数最多のノーザンファーム生産馬が21年ドウデュースら3勝をあげ、複勝率も31.8%と高い。昨年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。これらノーザンファーム生産馬は2番人気以内で好成績を残している。特に1番人気に推された馬は2頭ともに3着以内に入っている。3番人気以下で勝利した20年グレナディアガーズ(7番人気)、21年ドウデュース(3番人気)ともに前走1着だった。
下河辺牧場からは一昨年1着ドルチェモア、昨年2着エコロヴァルツが出ているものの、今年は出走予定馬がいない。社台ファームからは昨年ジャンタルマンタルが勝利しているが、他の8頭はいずれも着外に敗れている。
【結論】
アルテヴェローチェが軸、穴ならニタモノドウシ
今年の朝日杯FSの注目馬は表5のとおり。
(表5は12/11時点)
今回人気を集めそうなのはミュージアムマイルとアルテヴェローチェの2頭。
ともにノーザンファーム生産馬で前走1着だが、アルテヴェローチェの方を上に取りたい。アルテヴェローチェは前走サウジアラビアRCで前走上がり2位ながらも1着。管理している須貝厩舎も過去5年で【1.1.0.1】と結果を残している。軸として採用したい。
ミュージアムマイルは前走1勝クラスの黄菊賞を快勝。ただ、キャリア3戦、前走1勝クラス組ともに推せる材料ではない。素質上位は間違いないだろうが、押さえ評価に留めたい。
この2頭以外ではニタモノドウシを推奨したい。福島芝1200mの新馬戦、札幌のクローバー賞と2戦2勝で、前走同クラス1着も強調ポイント。前走上がり最速で1着も推せる。非ノーザンファーム生産馬で地味なタイプだが、勝ち負けしてもおかしくない。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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