JRA-VANコラム
【東京新聞杯 × 過去データ分析】牝馬、関東馬、継続騎乗の上位人気が好成績!

東京・京都・小倉の3場開催の今週は日曜に東京新聞杯、きさらぎ賞と2鞍の重賞が組まれている。今回は東京競馬場芝1600mを舞台に行われる古馬重賞、東京新聞杯をピックアップ。2020年以降近5年のデータから今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

表1は人気別成績。1番人気馬は2着1回のみで、複勝率20.0%と低い。これら上位3番人気以内は未勝利。4番人気馬が一昨年のウインカーネリアンら3勝をあげ、複勝率80.0%と非常に高い。以下、5・7番人気馬が1勝ずつ。3着以内馬はほぼ8番人気以内におさまっており、10番人気以下は21年カテドラル(12番人気)の2着1回のみとなっている。
下部には牝馬の成績も示したが、20年にプリモシーンが勝利し、複勝率33.3%と高い。上位6番人気以内に支持された牝馬は複勝率60.0%と非常に優秀で、複勝回収率も152%と高い。

表2は出走馬の所属別成績。美浦所属の関東馬が近5年連続で勝利しており、連対率・複勝率でも栗東所属の関西馬を圧倒している。人気別では関東馬で3着以内に入った12頭はすべて8番人気以内で、これら8番人気以内の馬は複勝率66.7%と非常に高い。
対して、関西馬は2着2回、3着1回で複勝率7.1%。3着以内馬3頭はいずれも関東所属の騎手が騎乗していた。
このような古馬・芝マイル路線の「東高西低」は近5年のG1(ヴィクトリアM・安田記念・マイルCS)でも表れており、関東馬【9.6.7.60】複勝率26.8%に対して、関西馬【5.9.8.141】複勝率13.5%。出走数は関西馬が断然多いものの、関東馬が9勝、複勝率でも関東馬が2倍近く高い率を残している。

表3は前走距離別成績。黄色で強調した前走1800~2200m組の複勝率が高い。これら距離短縮組は【2.3.2.13】で複勝率35.0%。昨年は1着サクラトゥジュール、3着ホウオウビスケッツが該当し、毎年1頭は3着以内に入っている。
出走数の多くを占める1600m組の前走クラス別成績では、前走G1(海外除く)組が2勝をあげ、複勝率30.0%。3着以内馬3頭はすべて前走マイルCS組だった。前走3勝クラス組は21年カラテが勝利。前走オープン特別組、前走G3組ともに未勝利で、複勝率も低い。また、前走1400m組からも3着以内馬が出ていない。

前走から騎手が継続騎乗か乗り替わりかの比較では、継続騎乗の馬が4勝をあげ、連対率22.6%・複勝率25.8%。乗替りの馬は1勝で、連対率6.3%・複勝率14.6%。継続騎乗の馬が優勢となっており、なかでも今回上位5番人気以内に支持された馬が3勝をあげ、連対率42.9%・複勝率50.0%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
乗り替わりの馬は20年プリモシーンの1勝のみ。この組の3着以内馬7頭は4・5歳馬で、うち4頭は牝馬だった。
【結論】
牝馬ブレイディヴェーグ、昨年優勝サクラトゥジュールに期待!
今年の東京新聞杯の注目馬は表5のとおり。

(表5 今年の東京新聞杯の注目馬)
※2/5時点。フルゲート16頭。
これまでのデータから牝馬、関東馬、前走から継続騎乗の馬で上位人気に推された馬の信頼度が高く、距離短縮馬の複勝率も高いことがわかった。
1番人気に推されそうなブレイディヴェーグは前走マイルCSで4着。前走が初めてのマイル戦で速い流れに戸惑った部分はあっただろう。牝馬で関東馬、前走騎乗したルメール騎手が継続して騎乗予定と買い材料が揃っている。東京芝は3戦3勝、マイル戦2戦目で慣れる部分も大きい。軸として信頼したい。
昨年の優勝馬サクラトゥジュールもデータから推せる一頭。昨年もキング騎手で勝利しているが、前走京都金杯も同騎手で優勝。今回もキング騎手が騎乗予定で関東馬と、今年も買える一頭だ。8歳馬と年齢で嫌われるなら積極的に狙ってみたい。
他ではボンドガールも牝馬、関東馬、前走秋華賞から距離短縮と好材料が揃った一頭。前走秋華賞で2着に導いた武豊騎手が継続騎乗の予定で、今回狙える一頭だ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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