JRA-VANコラム
【フェブラリーS×過去データ分析】ふたつの東京ダートG3の内容に注目!

中央競馬で1年最初のG1は、もちろん今年もフェブラリーS。マイル前後で無類の強さを誇ったレモンポップが引退し、このカテゴリーの次期王座を巡る一戦を、過去10年のデータから展望する。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年のフェブラリーS1着馬の前走は、根岸Sが4勝、チャンピオンズCとプロキオンS(注:24年までの東海Sに相当)が各3勝となっている。そこで、この3レースにまつわるデータを確認したい。
上記3レースのうち、もっとも明確な傾向が出ているのが前走根岸S組だ。表1のとおり、この組は、根岸Sで1~2着および上がり1~5位を記録していることがフェブラリーS好走の必須条件と言っていい。

前走チャンピオンズC組は10着以下からの巻き返しが好走の半数を占め、前走着順は気にしなくてよさそう。傾向が出ているのは年齢別成績(フェブラリーS出走時)だ。4歳馬は【2.1.1.0】とオール好走を果たし、5歳馬も【1.1.1.4】と悪くない。しかし、6歳以上馬は【0.1.0.5】と、このローテーションを採用したケースでは若い馬ほど好結果という傾向が見て取れる。

前走プロキオンS組のデータは、24年までの東海Sを準用する。この場合、前走1着ならフェブラリーSで複勝率50.0%を誇る一方、2着以下だと複勝率14.3%にダウン。また、全3勝を前走4角1~3番手だった馬が挙げ、4番手以降だった馬は数値を落とす。両方を満たす「前走プロキオンSで4角1~3番手から1着」だった馬の成績は【2.0.1.2】となる。

前走が地方戦という馬の出走も少なくないが、全体で【0.3.3.44】と苦戦気味。興味深いのは前走着順で、前走1着馬は【0.0.0.12】と好走がなく、前走2着以下馬がすべての2~3着をマーク。また、距離に関しては「今回延長」が複勝率28.6%と悪くない。そして、「前走2着以下」かつ「今回延長」に該当した馬は【0.1.1.1】という成績で、馬券圏外の1頭も4着まで来ており、該当すれば侮れない存在となりうる。

フェブラリーSでは、前年秋に同条件の武蔵野Sに出走した馬が好走するケースが目立つ。そこでチェックしたいのが、武蔵野Sの着順と上がり順だ。表5のとおり、着順なら1~5着、上がり順なら1~5位だった馬が、どちらもフェブラリーSで複勝率40%以上を記録し、有望な存在となりうる。
【結論】
エンペラーワケアとコスタノヴァはデータも申し分ない
以上の分析に基づき、今年のフェブラリーSで期待できそうな馬を紹介していこう。
前走根岸S組は、そこで1~2着に入り、上がり1~5位を記録しておくことが必須。今年該当するのは根岸S1着、上がり2位のコスタノヴァである。
前走チャンピオンズC組は、フェブラリーS出走時4歳ならオール好走というデータがあるが、今年は該当馬なし。また、5歳のセラフィックコールは除外対象となっている。ほかに6歳以上が4頭おり、昨年1着のペプチドナイル、2着のガイアフォースも含まれる。該当馬は苦戦のデータを覆し、2年連続好走を果たせるか。
前走プロキオンS組は、そこで4角1~3番手から1着だった馬の好走率が高く、今年逃げ切ったサンデーファンデーはこの条件に合致。そのほか、4角6番手から2着のサンライズジパングより、4角3番手から3着のドゥラエレーデのほうがデータには沿っている。
前走地方戦の場合、前走1着だと好走例がなく、距離延長が悪くない成績だった。今年の登録馬では、前走兵庫ゴールドT(1400m)で2着のサンライズホークと12着のヘリオスがこのパターンに該当する。ただし、除外対象の前者はかきつばた賞に出走予定と報じられ、後者は過去10年で好走例がない地方所属馬である。
前年の武蔵野S出走馬は、そこで1~5着に入るか、上がり1~5位を記録していると有望で、エンペラーワケアは1着、上がり5位で文句なし。4着のペイシャエスと5着のサンライズホークもいるが、両馬とも除外対象となっている。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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