JRA-VANコラム
【チューリップ賞 × 過去データ分析】前走G1上位馬を信頼!

今週は阪神競馬場がリニューアルオープン。開幕週には桜花賞トライアル・チューリップ賞が組まれている。1994年の重賞昇格以降、長く土曜日の重賞として親しまれてきたレースだが、今年は初めて日曜日に行われる。今回はそのチューリップ賞について、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析したい。

過去10年、1番人気が【5.1.1.3】で勝率50.0%、複勝率70.0%。2番人気も複勝率は70.0%で並び、この1、2番人気が好成績だ。ただ、2022年以降は3着以内の好走馬9頭中6頭を5番人気以下の馬が占めており、今年も穴馬には注意したい。

※競走除外も前走扱いとする
前走クラス別の成績を調べると、2018年以前と19年以降で傾向が異なることがわかった。2019年はエルフィンSや紅梅Sがリステッド競走になった年で、この年を境に前走G3組の好走がなくなり、かわってリステッド競走組が台頭。このリステッド競走組と、10年通して好成績のG1組が主力になっている。また、該当馬は少ないが新馬戦組も軽視禁物だ。

前走G1組について前走着順別の成績を調べると、4着以内だった馬が【7.1.5.6】複勝率68.4%をマークするのに対し、6着以下だった馬は【0.0.0.6】(前走5着は該当なし)。G1の強敵相手に4着以内に入っていた馬は安定しており、特に前走連対馬はかなり信頼性が高い。

前走リステッド競走組は該当する14頭すべてがエルフィンSまたは紅梅Sに出走していた。このうち3着以内の好走馬は表4の5頭で、エルフィンS組が4頭、紅梅S組が1頭。前走で1番人気の支持を受けていたか、2~3着に入っていたことが共通点だ(前走1着馬は【0.0.0.2】)。

最後に表5は前走新馬戦組の好走馬。前走距離は芝1400m、1500m、1600mが1頭ずつで、前走人気やチューリップ賞での人気はまちまちだが、3頭とも前走から中9週以上のゆったりした間隔で出走していた。前年のうちに新馬戦を勝ち上がっていることが好走条件になる。
【結論】
阪神ジュベナイルフィリーズ2着のビップデイジーが有力!
以上のデータから、今年のチューリップ賞登録馬ではビップデイジーが有力だ。新馬戦、紫菊賞と2連勝していながら前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは8番人気にとどまったが、中団から脚を伸ばして2着に好走。表3で触れたように前走G1で連対していた馬は信頼性が高く、今回2番人気以内に支持されそうなこともプラス材料になる(表1)。
また、ここ3年は穴馬の好走が目立つことから、前走で新馬戦を勝ち上がったメイショウタマユラにも注目したい。新馬戦組の好走馬3頭はすべて中9週以上で(表5)、今年該当するのはこの馬1頭だ。
その他では、前走の阪神ジュベナイルフィリーズで5着だったスリールミニョン。前走がG1で5着だった馬は過去10年出走がないため判断は難しいが、好走馬が出ている前走4着以内と同じグループと考えれば軽視はできない。また紅梅Sを勝ってきたナムラクララも、リステッド競走組の好走条件を「前走2~3着」ではなく「前走3着以内」とすれば候補に挙げられる。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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