JRA-VANコラム
【中山牝馬S × 過去データ分析】格よりも勢い! 前走条件戦勝ち馬に注目!

今週は土曜に中山牝馬Sとフィリーズレビュー、日曜に弥生賞ディープインパクト記念と3鞍の重賞が組まれている。今回は土曜中山メインの中山牝馬Sをピックアップ。2022年には3連単173万馬券が飛び出すなど波乱傾向が強い一戦だ。2020年以降の中山牝馬S近5年のデータからレース傾向ならびに馬券で狙いたい注目馬を挙げていく。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

表1は人気別成績。1番人気馬は勝ち星どころか連対がなく、3着2回。2~4番人気馬も連対1回ずつで、連対率・複勝率20%と低い。一方、5・6番人気馬の複勝率が60%と非常に高い。また、10番人気以下は2022年に15番人気クリノプレミアムが優勝。同年には12番人気アブレイズが2着に激走し、15→12→1番人気の順で3連単173万7720円の大波乱となった。
3連単の配当では一昨年の2万5320円が一番安く、他の4年はすべて10万円以上となっている。牝馬限定のハンデ戦で、人気薄であっても狙って面白い一戦といえる。

表2は前走クラス別成績。今回昇級戦となる前走条件戦組ならびに出走数の過半数を占める前走G3組は前走における着順別成績も示している。前走条件戦組から連対馬が4頭出ており、なかでも前走1着馬は昨年のコンクシェルら2勝をあげ、連対率・複勝率60%と非常に高い。前走の格を重視するのではなく、条件戦を勝ち上がった勢いのある馬が狙い目だ。
前走G3組では、前走1着馬の連対がなく3着1回のみ。前走1着で斤量が重くなる影響が出ているのではないか。前走2着馬は21年ランブリングアレーが勝利し、複勝率60%と優秀だ。前走3着馬こそ好走馬が出ていないものの、前走2~5着馬から3着以内馬が6頭出ており、注目しておきたい。
他では前走オープン特別組、前走G1組は不振傾向。前走G2組は複勝率50%と高いものの、今年は該当馬がいない。

表3は前走着順別成績。前走で連対した馬が一昨年のスルーセブンシーズら3勝をあげ、複勝率36.8%と高い。それら前走連対馬の年齢別成績では4歳馬、5歳馬から複数頭の好走馬が出ており、複勝率が高い。
他では前走10着以下だった馬が4頭好走しており、前走大敗からの一変には注意しておきたい。

表4は前走馬体重別成績。前走馬体重460キロ以上だった馬が近5年の3着以内馬15頭中14頭を占めている。なかでも前走500キロ以上の大型馬は、勝ち馬こそ出ていないが8頭中3頭が好走している。対して、前走460キロ未満の馬で好走したのは23年1着スルーセブンシーズのみ。前走馬体重460キロがひとつの分水嶺といえそうだ。
【結論】
前走条件戦快勝のシランケド、前走2着ビヨンドザヴァレーに注目
今年の中山牝馬Sの注目馬は表5のとおり。

(表5 今年の中山牝馬Sの注目馬)
※3/5時点。フルゲート16頭。
これまでのデータからシランケドとビヨンドザヴァレーの2頭を推奨したい。
シランケドは前走3勝クラスの魚沼Sを快勝。表2の前走条件戦1着、表3の前走連対した5歳馬、表4の前走460キロ以上(前走馬体重514キロ)の好走傾向に合致。一昨年の紫苑S3着から条件戦に戻り、前走でオープン入りを果たした。今回は前走の斤量56キロから2キロ軽い54キロ。決め手がある馬で、勝ち切る可能性も十分と見る。
ビヨンドザヴァレーは前走ターコイズSで2着と好走。表2の前走G3で2着、表3の前走連対した5歳馬、表4の前走460キロ以上(前走馬体重470キロ)の条件をクリアしている。前走ターコイズSが初の重賞挑戦で2着と力を付けているのは間違いなく、今回も期待が持てる一頭だ。
他では前走中山金杯4着のクリスマスパレード、前走3勝クラス1着のセキトバイーストとホーエリート、これら4歳馬3頭もおさえておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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