JRA-VANコラム
【皐月賞×過去データ分析】重賞を0秒2差以上で勝ってきた馬が好成績

今年の皐月賞には大本命と目される馬がいる。三冠の呼び声も聞こえるクロワデュノールは、ファンの期待に応えることができるのか。それとも別のシナリオが描かれているのか。過去10年のデータから分析していこう。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年で2勝の1番人気は水準未満の数字にとどまる。ただし、その2勝を挙げたのが19年のサートゥルナーリアと20年のコントレイルで、どちらも前走ホープフルS1着の牡馬。そして、今年1番人気が予想されるクロワデュノールも同様のプロフィールの持ち主である。また、7~9番人気の回収値が高く、ひとケタ人気に収まっていれば侮れない存在となりうる。

過去10年の皐月賞出走馬を「芝1800m、2000mの両方で1着あり」「芝1800mで1着あり、芝2000mで1着なし」「芝2000mで1着あり、芝1800mで1着なし」「芝1800m、2000mでは未勝利」の4グループに分け、それぞれの成績を調べてみた。すると、「両方で1着あり」の実績を持つ馬の好走率が明らかに高いことがわかった。また、1着実績が片方のみの場合、「芝1800mで1着あり」のほうが、皐月賞と同距離の「芝2000mで1着あり」より好走しやすいことも興味深い。

過去10年の皐月賞1~3着馬30頭中20頭が「前走重賞1着」に該当する。「前走重賞2着」だった馬が計6頭おり、これら以外は好走率がかなり下がってしまう。また、皐月賞1着馬は前走重賞1着か2着のどちらかに限られる点も押さえておきたい。

前走重賞1着馬に関しては、2着馬とのタイム差が目安になりそうだ。表4のとおり、前走重賞で0秒2以上の差をつけて勝っていた馬は、皐月賞で複勝率53.3%を誇る。ただし、前走重賞1着でも、馬場状態が稍重~不良だった場合はあまり直結しない傾向が見られる。もうひとつ、騎手が継続騎乗するか乗り替わりになるかで好走率が変わってくる傾向もあり、出馬表が確定したら乗り替わりの有無も確認したい。

前走重賞2着の場合、その前走で1番人気に推されていれば【2.1.2.5】の好成績。しかし、2番人気以下だった馬は【1.0.0.17】で、18年1着のエポカドーロを除いて4着以下に終わっている。距離も重要で、芝1800m重賞で2着だった馬は【3.1.1.10】と侮れない。特に【2.0.1.3】の前走共同通信杯2着馬は要注意だ。
【結論】
手堅いのはやはりクロワデュノール
今年の皐月賞には前走重賞1着馬が7頭エントリーしてきた。そのうち、2着馬とのタイム差が0秒2以上だったのはエリキング、クロワデュノール、サトノシャイニングの3頭だ。いずれも前走と同じ騎手が継続騎乗する予定で、芝1800mと2000mの両方で1着実績を持つことも好材料と言える。ただし、サトノシャイニングは前走のきさらぎ賞が稍重だったこと、エリキングは骨折明けでの出走という点が少々気になる。となると、手堅いのはやはりクロワデュノールということになりそうだ。
前走重賞2着馬は4頭いる。このなかに前走1番人気馬が見当たらないのは残念だが、芝1800mの共同通信杯で2着だったカラマティアノス、同じくスプリングSで2着だったフクノブルーレイクはマークしておきたい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。


