JRA-VANコラム
【宝塚記念×過去データ分析】前走国内G1組の前走人気&騎手に注目!

今年から宝塚記念は時期が2週早くなり、安田記念の翌週に組まれることとなった。また、本来の阪神で開催されるのは2年ぶりとなる。カレンダー上ではすでに夏競馬になっているものの、春の総決算となる一戦を過去10年のデータから読み解いていきたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

年齢別成績では、過去10年で7勝の5歳がリードし、3勝の4歳が続く。6歳以上は2着が4回あるものの、好走率では5歳や4歳に比べて見劣る印象だ。なお、3歳の出走は過去10年で1頭だった。また、牡牝別成績において牝馬が優秀な成績を収めている点にも注目したい。

続いて前走クラス別成績を確認する。主力を形成するのは前走国内G1出走馬で、過去10年で5勝を挙げ、1~3着は計19回を数える。続いて前走海外戦出走馬が3勝、1~3着は計6回をマーク。勝率・連対率では前走国内G1を上回り、こちらに有力候補が含まれている可能性も十分ある。前走国内G2・G3出走馬はやや苦戦傾向ながら、各1勝を挙げており、まったくの無視は危険だろう。

前走国内G1出走馬に関するデータをふたつ見ていこう。まずは前走人気で、前走国内G1で1~5番人気だった馬は宝塚記念で複勝率40.0%と安定して走っている。一方、前走国内G1でも10番人気以下だった馬は宝塚記念で【0.0.0.17】と好走例がなく、前走9番人気までには収まっていたい。もうひとつは騎手に関するデータで、前走のG1で跨った騎手が継続騎乗すれば複勝率30.8%を記録し、全5勝もこちらに含まれる。しかし、乗り替わりになると複勝率は13.0%までダウンする。

前走海外戦出走馬は、その前走の着順が重要で、前走1~3着なら【3.1.1.6】と宝塚記念でも好成績を収めている。これに対して、前走4着以下だと【0.1.0.15】と苦戦。唯一の好走例である18年2着のワーザーは香港馬だから、過去10年、前走海外戦4着以下から宝塚記念で巻き返した中央所属馬は1頭もいないことになる。

前走国内G2・G3出走馬は苦戦傾向とはいえ、1~3着を合計5回記録している。そこでどんな馬なら狙えるのかを調べたところ、ふたつのデータに行き当たった。まずは前走着順で、前走1~2着馬に限れば複勝率33.3%と侮れない。もうひとつは前走の4角通過順で、好走した全5頭は前走の4角を1~7番手で回っていた。そして、両方の条件を満たす「前走国内G2・G3で4角1~7番手から1~2着に入った馬」なら【2.2.1.8】と、一気に侮れない存在となってくる。
【結論】
前走国内G1出走馬11頭のうち、有力データ合致はこの2頭!
今年の宝塚記念には18頭が登録し、前走で国内G1に出走した馬が11頭も含まれる。そこで、この組の基準となる前走人気は厳しめに1~5番人気としたい。条件をクリアするのは5頭で、そのうち前走と同じ騎手が継続騎乗する予定となっているのはベラジオオペラ、レガレイラの2頭である。前者は5歳、後者は4歳という年齢もいい。
前走海外戦出走馬は3頭が登録。この組は前走1~3着が好走条件で、該当するのはドバイシーマクラシック3着のドゥレッツァだけ。この馬も5歳馬である。
前走国内G2・G3出走馬は4頭いて、前走1~2着に合致するのは日経賞2着のチャックネイトだけ。その日経賞の4角通過順が7番手だった点も好走データに当てはまる。今年で7歳を迎え、過去10年で勝った例がない6歳以上に該当するが、マークはしておきたい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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