JRA-VANコラム
【スプリンターズS×過去データ分析】実力伯仲!激戦の行方は?

今週は中山競馬場でスプリンターズSが行われる。今春の高松宮記念を制したサトノレーヴが最も人気を集めそうだが、過去の本競走優勝馬であるママコチャとルガルや、実績十分のナムラクレアやトウシンマカオ、さらに香港からG1馬ラッキースワイネスが来日するなど楽しみなメンバーが揃い、実力伯仲の激戦が予想される。果たして勝利するのはどの馬か。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析する。

過去10年のスプリンターズSの人気別成績を調べたところ、1番人気が勝率・連対率40.0%、複勝率60.0%だった。3番人気は勝率30.0%、連対率・複勝率50.0%と優秀で、単・複の回収値も100を超えた。また、3着以内に好走した30頭の内、ちょうど6割が1~5番人気【8.6.4.32】だった。よって、残り4割が6番人気以下【2.4.6.97】ということになる。

スプリンターズS当日1~5番人気馬の前走着順別成績を調べたところ、前走1着が【4.3.2.9】で勝率22.2%、連対率38.9%、複勝率50.0%で最も優秀だった。勝率に関しては前走2~4着も20%台で、前走1着とほぼ互角。連対率や複勝率も前走1~4着の間で大きな差はなかった。前走1~4番着馬の成績は【8.5.2.22】で勝率21.6%、連対率35.1%、複勝率40.5%と優秀だ。
ちなみに前走10着以下【0.1.0.4】で当日1~5番人気になった5頭中4頭は、同年の高松宮記念で3着以内(20年ダイアトニックは4位入線後、繰り上がりで3着)に入っていた。実績的に巻き返しが十分考えられたものの、実際に好走したのは17年2着レッツゴードンキだけであり、案外ハードルが高い印象だ。

続いて当日6番人気以下で好走した馬を調べたところ、だいたい4つのパターンに分類することができた。一つ目は同年のシルクロードS勝ち馬。20年3着アウィルアウェイ、21年3着シヴァージ、24年1着ルガルが該当する。二つ目は同年に中山芝1200mの重賞もしくはオープン特別を勝っている馬。15年2着サクラゴスペル、22年1着ジャンダルム、23年2着マッドクールが該当した。三つ目は近3~4走、重賞・OP特別で連続好走している馬。18年2着ラブカンプーと22年2着ウインマーベルが該当した。最後四つ目は連勝中の馬。15年3着ウキヨノカゼと17年3着ワインスインナムーンが該当した。穴馬を見つけたい場合は、このような実績に注目してみるといいだろう。
【結論】
実績上位で安定もしているサトノレーヴとママコチャ
今年のスプリンターズS当日の人気は、当然本稿執筆時点ではわからないが、おそらく今春の高松宮記念を制したサトノレーヴが人気の中心になりそうだ。昨年の本競走は7着と敗れてしまったが、その後の4走はいずれもG1で3着、1着、2着、2着と安定した成績を残している。
ママコチャは本年のオーシャンSを勝ち、芝1400m以下の重賞で近4戦連続3着以内と安定した成績を残している。他にはルガルやナムラクレアが上位人気候補だが、この2頭を推奨してみたい。
穴馬候補となりうる今年のシルクロードSの勝ち馬(エイシンフェンサー)は不在だが、春雷Sの勝ち馬ヨシノイースターがいる。連勝馬は不在。近3~4走、重賞・OP特別で連続好走している馬はサトノレーヴとママコチャ以外はいないが、次点として条件クラスを連勝後、函館スプリントS2着・CBC賞2着と4戦連続連対中のジューンブレアに注目してみたい。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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