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JRA-VANコラム

【ジャパンC×過去データ分析】同コースのG1実績馬が抜群の成績

2025年11月27日 16:00配信
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キタサンブラック、アーモンドアイ、コントレイル、イクイノックス、ドウデュース。近年の勝ち馬が、そのまま国内最強の系譜になってしまうのがジャパンC(以下JC)というレースだ。今年も強力なメンバーが集結した一戦を、過去10年のデータから占っていこう。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 牡牝・年齢・所属別成績

まずは牡牝別・年齢別・所属別の成績。牡牝別では、牝馬の好走率が牡馬(セン馬を含む)を大きく上回る。年齢別では、連対率・複勝率で3歳、勝率で5歳がそれぞれトップ。4歳の数値も大きく見劣りはせず、好走例がない6歳以上でなければ神経質になる必要はなさそうだ。東西の所属別では、関西馬が関東馬をややリードする。なお、過去10年、外国馬や地方馬の好走例はないため、以降の表2~5では中央馬のみを集計対象とする。

■表2 人気別成績

次に人気別成績。1番人気が過去10年で6勝を挙げ、複勝率90.0%とほぼ崩れない。2番人気は1着こそないが複勝率60.0%は優秀だ。以下、1着馬は5番人気以内、2~3着馬は8番人気以内に限られ、9番人気以下の好走例はない。単勝オッズだと30倍がひとつの目安で、30倍を超えると【0.0.0.74】に終わっている。

■表3 過去に東京芝2400mG1好走歴を持つ馬に関するデータ

過去10年のJC1~3着馬延べ30頭のうち、過去に東京芝2400mG1で1~3着の実績を持つ馬が実に20頭を占める。そして、この実績を持つ馬が前走国内戦で1~3着なら複勝率65.0%、4~5着でも複勝率37.5%と、掲示板に載っていれば有力だ。しかし、前走6着以下だと複勝率は13.0%に落ちてしまう。19年に天皇賞・秋7着→JC1着のスワーヴリチャードの例はあるが、東京芝2400mG1の好走実績馬であっても、掲示板外からの巻き返しは容易ではない。なお、このケースで前走が海外戦だと前走着順を問わず【0.1.0.2】という成績で、2着は昨年のシンエンペラーである。

■表4 過去に東京芝2400mG1好走歴がなかったJC1~3着馬

東京芝2400mG1に出走したことはあるが1~3着の実績を持たない馬は、JCで【1.1.1.29】と苦戦。ただ、好走した数少ない3頭には、キタサンブラックとサウンズオブアースは前走、(表4にはないが)ラブリーデイは2走前が京都大賞典という共通点がある。

■表5 過去に東京芝2400mG1出走歴がなかったJC1~3着馬

東京芝2400mG1に出走したこと自体がない馬は、JCで【2.4.1.42】という成績。複勝率14.3%は微妙ながら好走馬が7頭おり、軽視はできない。その7頭をまとめたのが表5。これを見ていくと、前走の天皇賞・秋で掲示板に載った馬アルゼンチン共和国杯1着馬が2頭ずついる。また、ヴェラアズールは前走の京都大賞典で1着、ラストインパクトは前年の京都大賞典で1着と、東京芝2400mG1未出走の場合も京都大賞典の実績があれば軽視できない。あとの1頭は昨年のドゥレッツァで、同じく帰国初戦のシンエンペラーと2着同着。東京芝2400mG1実績を問わず、前走海外戦には一定の警戒が必要になりそうだ。

【結論】

マスカレードボールに隙は見当たらない

今年のJC登録馬のうち東京芝2400mG1好走の実績を持ち、前走で国内戦に出走したのは3頭。このうち好走率が非常に高い前走1~3着に当てはまるのはマスカレードボールだけである。前走が掲示板外だったタスティエーラとドゥレッツァは、不利なデータを覆すことはできるか。

東京芝2400mのG1に出走したことはあるが1~3着の実績を持たない場合は、京都大賞典組が要注意。ただし、今年1着のディープモンスターは7歳の年齢が減点材料となるため、2着のサンライズアースに注目したい。そのほか、天皇賞・秋3着で存在感を示したジャスティンパレスも6歳の年齢が引っ掛かる。

東京芝2400mG1未出走の登録馬は2頭。このケースでも京都大賞典1着の実績があれば侮れないが、今年のアドマイヤテラは4着まで。ブレイディヴェーグは天皇賞・秋10着が物足りない着順だが、好走率の高い牝馬、かつ、京都大賞典と条件が近いエリザベス女王杯の勝ち馬で、視界には置いておいていい。

そのほか、海外遠征から帰国初戦となるダノンデサイル、クロワデュノール、シンエンペラーは調子の把握が難しい面もあるが、力を出せる状態ならもちろんチャンスあり。一方、外国馬は【0.0.0.25】のデータが存在する以上、敬意を払いつつもカランダガンは推奨しづらい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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