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JRA-VANコラム

【チャンピオンズC × 過去データ分析】前走地方競馬出走馬の取捨がカギ

2025年12月4日 16:00配信
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一昨年、昨年とレモンポップが連覇を飾ったチャンピオンズC。今年は同馬が引退したほか、ブリーダーズCクラシックを制したフォーエバーヤングや、帝王賞・JBCクラシックを連勝したミッキーファイトも不在の中で行われることになった。しかしそれでも実績馬や期待の新勢力がずらりと顔を揃えており、非常に楽しみな一戦であることには変わりない。今回はそんなチャンピオンズCについて、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向を分析したい。なお、「Jpn1」「Jpn2」「Jpn3」は便宜上それぞれ「G1」「G2」「G3」と表記する。

■表1 人気別成績

人気別では、1番人気が【4.3.0.3】で連対率70.0%の好成績をマーク。3番人気は【1.3.2.4】で複勝率が60.0%と高い。一方で2015年に12番人気のサンビスタが優勝するなど穴馬の好走も少なからず見られ、過去10年のうち8回は8番人気以下の馬が馬券に絡んでいる2018年以降の優勝馬7頭はすべて4番人気以内だが、ヒモ荒れは警戒したい。

■表2 前走クラス・年齢別成績

表2は前走クラス・年齢別成績で、8歳以上【0.0.0.8】は省略した。前走クラス別では地方競馬組【9.7.3.42】(すべて前走はダートグレード競走)の活躍が目立ち、複勝率も31.1%と優秀だ。中でも3歳は【2.1.0.1】同75.0%と素晴らしく、5歳や6~7歳も複勝率36%台と上々。4歳だけは同17.6%とやや苦しんでいる。その他の好走馬は中央G3組【1.3.5.61】が大半を占める。この組は3歳と5歳が複勝率20.0%で地方競馬組の4歳をやや上回るものの、4歳と6~7歳は同10%を割っている。

なお性別では牡・セン馬【9.10.10.120】複勝率19.5%、牝馬【1.0.0.6】同14.3%。牝馬の参戦はほとんどないが、他の好走条件をクリアする馬なら性別だけで評価を下げるのは避けたい。

■表3 前走南部杯からの3着以内好走馬

地方競馬組の中でも好成績が目立つのは、前走マイルチャンピオンシップ南部杯(以下南部杯とする)出走馬で、【4.2.1.9】複勝率43.9%。一昨年、昨年と連覇したレモンポップは2年とも前走でこの南部杯に出走していた。

この組で3着以内に好走した7頭はすべて南部杯では5番人気以内で、うち6頭はフェブラリーSの優勝実績馬。残る1頭、ルヴァンスレーヴはフェブラリーSに出走機会のなかった3歳馬で、同馬は前走の南部杯、そして2走前のジャパンダートダービーとG1を2勝。いずれにしてもこの組の好走馬はかなりの実績を持っており、南部杯組の複勝率が高いからといって無条件に飛びつくのは危険だ。

■表4 前走JBCクラシック(地方開催のみ)からの3着以内好走馬

前走JBCクラシック組(2018年の中央開催除く)からは南部杯を上回る好走馬9頭が出ているが、【3.5.1.22】と該当馬も多いため複勝率は29.0%と南部杯より少し低い。ただ、この組の好走馬9頭のうちG1優勝実績を持っていたのは5頭だけで、3頭はG2まで、そして2023年のウィルソンテソーロはG3までの優勝経験しかなかった。

また、この組の好走馬9頭はすべて、前走のJBCクラシックで5番人気以内かつ5着以内の条件を満たしていた。加えて前走人気か着順のどちらかは「3」以内で、同レース4番人気4着のような馬は好走がない。

なお、前走地方競馬組の好走馬はこの2レースが大半を占めており、他の地方競馬のレースからの好走馬は3頭(日本テレビ盃、JBCレディスクラシック、JBCスプリント各1頭)。この3頭の共通点としてはG1優勝実績を持っていること、そして前走で連対していることが挙げられる。

■表5 前走G3からの3着以内好走馬

中央G3組は、前走で4番人気以内なら【1.3.4.35】、5番人気以下は【0.0.1.26】と、まず前走で4番人気以内に入っていたかどうかがチェックポイントになる。

また、連対した4頭をみると、ダートで馬券圏外が1回以内(ノンコノユメ、ウェスタールンド、ジュンライトボルト)だったり、過去1年にかぎると馬券圏外が一度もなかったりと(テイエムジンソク)、安定した成績を残していた。一方、3着止まりだった5頭は、3歳のハピを除きG2以上の優勝実績を持っていた。連対候補としては安定感、3着候補は実績に注目したいのがこの中央G3組だ。なお、前走が武蔵野Sだった2頭は同レース(1600m)より長い距離での重賞連対実績があり、みやこS・シリウスS組の7頭は前走を勝っているかG1で掲示板に載った経験があったことで共通していた。

【結論】

ウィルソンテソーロとナルカミの争いか?

チャンピオンズCは前走で地方競馬のダートグレード競走に出走していた馬が過去10年で9勝を挙げている。特に南部杯組(表3)の好走確率が高いが、今年の南部杯上位馬で本競走に直行するのはシックスペンス1頭だけ。ダート経験がその南部杯1戦のみのため判断は難しいが、G1勝ちがないことに加え、相性があまり良くない4歳馬ということも加味して押さえくらいの評価にとどめたい。

最有力候補は、2走前にその南部杯に出走して快勝を収めたウィルソンテソーロだ。前走JBCクラシックでは5着に敗れたが、2番人気5着なら表4の好走条件はクリア。本競走では2年続けてレモンポップの2着で、特に昨年はハナ差負けと非常に惜しい競馬だったが、同馬不在の今年はチャンスだ。6歳という年齢も気にならない(表2)。

前走地方競馬組からはもう1頭、3歳のナルカミも要注目の存在になる。表2にあったように前走で地方競馬に出走していた3歳馬は【2.1.0.1】の好成績だ。3歳ダート路線は一昨年から大きな変更があり、ジャパンダートクラシックから本競走というステップがどう出るかは未知数だが、今年はウィルソンテソーロ以外に好走条件をすんなりクリアする馬もいないため、総合的に見て2番手評価としたい。

前走中央G3組(表5)では、国内ダート【5.1.1.1】のルクソールカフェと、全成績【6.1.0.0】のダブルハートボンドが連対候補。ルクソールカフェは1600m超で重賞連対がないこと、ダブルハートボンドは4歳という年齢と、どちらも減点材料を抱えているため2頭互角の評価でいいだろう。加えて3着候補として、浦和記念優勝実績を持つ5歳馬・アウトレンジも挙げておきたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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