JRA-VANコラム
【有馬記念×過去データ分析】同年のG1着順でグランプリの結果がわかる!?

今年もグランプリがやってくる。1年の総決算とも言える一戦を、「同じ年の芝2000m以上の平地G1でどんな着順に入っていた馬が好成績を挙げているのか」という角度から展望してみたい。集計期間は過去10年。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

まずは、同じ年の芝2000m以上G1を勝った馬から見ていく(カッコ内の馬名は今年該当する馬)。宝塚記念1着馬(メイショウタバル)は、過去10年の有馬記念で天皇賞・秋1着馬に次ぐ2勝をマーク。ただし、4着以下に敗れた馬も6頭と少なくはない。やや極端な傾向で、馬券的には1着固定の思い切った買い方に向いていそうだ。皐月賞1着馬(ミュージアムマイル)は、天皇賞・秋経由だと【1.1.0.0】、菊花賞経由だと【0.0.0.1】という内訳。エリザベス女王杯1着馬(レガレイラ)は【0.0.1.4】で、22年ジェラルディーナの3着が最高という結果だ。

同様に、同じ年の芝2000m以上G1で2着だった馬の成績を確認する。今年該当するのは天皇賞・秋2着馬(ミュージアムマイル)で、過去10年で【0.0.1.2】という成績。その内訳を確認すると、ジャパンCにも出走した17年サトノクラウンは13着と大敗し、有馬記念に直行した20年フィエールマンは3着、23年ジャスティンパレスは4着と崩れなかった。

同じ年の芝2000m以上G1で3着だった馬の成績はどうか。今年の登録馬にも該当馬がいて、比較的結果を出しているのがジャパンC3着馬(ダノンデサイル)で、【1.1.0.2】という成績。また、宝塚記念3着馬および天皇賞・秋3着馬(いずれもジャスティンパレス)にも好走例はあるが、好走率が高いとまでは言いづらい。菊花賞3着馬(エキサイトバイオ)とエリザベス女王杯3着馬(ライラック)は、どちらも過去10年の有馬記念で好走した例がない。

有馬記念では数々の復活劇が演じられてきた。そこで最後に、同じ年の芝2000m以上G1で4着以下だった馬の成績を見ておこう。侮れないのが日本ダービー4着以下馬(ミュージアムマイル)で、過去10年で18年ブラストワンピース、24年レガレイラが勝利を収めるなど【2.1.1.3】の好成績。そのほか、宝塚記念や天皇賞・秋、ジャパンCなどの4着以下馬も登録があるが、いずれのパターンも複勝率20%未満にとどまる。
【結論】
ミュージアムマイルは今年のG1着順が好感

本稿執筆の12月24日時点で登録22頭のうち4頭が出走回避を表明した。フルゲートは16頭で、ライラックとディマイザキッドの2頭が除外対象という情勢となっている。
皐月賞1着のミュージアムマイルは、続く日本ダービーで6着に終わったが、有馬記念に向けてはむしろ前向きに捉えられるデータが残っている。天皇賞・秋2着からジャパンCをスキップして臨むローテーションも悪くない。
宝塚記念1着馬は、有馬記念でやや極端な結果を収めがち。今年の勝ち馬メイショウタバル自身も過去に2~3着がなく、1着か4着以下のタイプで、狙うのであれば思い切った馬券がいいだろう。同じく4歳馬ではダノンデサイルも有力。ジャパンC3着馬は連対率50%で、安定感では宝塚記念1着馬を上回る。
宝塚記念と天皇賞・秋でいずれも3着のジャスティンパレスは、現役最後の一戦でもうひと頑張りできるか。レガレイラはエリザベス女王杯1着馬が苦戦気味である点が気になるが、なんといっても昨年の勝ち馬。データを覆しても驚きはない。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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