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JRA-VANコラム

【阪神JF × 過去データ分析】過去10年中8勝のノーザンファーム生産最注目はこの馬!

2025年12月11日 16:00配信
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今週は日曜に阪神競馬場で2歳女王決定戦、阪神JFが行われる。過去10年においても優勝馬のリバティアイランドが翌年の桜花賞・オークス・秋華賞を制し、2着だったリスグラシューやクロノジェネシスが古馬になって宝塚記念や有馬記念を勝利するなど、見逃せない一戦となっている。今回は昨年の京都開催を含めた2015年以降・過去10年のデータから今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪神JF出走馬の所属別成績(過去10年)

表1は阪神JF出走馬の所属別成績。美浦所属の関東馬が一昨年のアスコリピチェーノら4勝をあげ、連対率18.2%・複勝率25.5%。対して栗東所属の関西馬は昨年のアルマヴェローチェら6勝で、連対率8.2%・複勝率13.1%。関東馬が連対率・複勝率で優勢となっている。

関東馬の3着以内馬14頭中13頭が前走440kg以上で、この「前走440kg以上の関東馬」は複勝率33.3%と優秀だ。関西馬は上位4番人気以内に推された際に22年リバティアイランドら5勝をあげ、この「4番人気以内の関西馬」は複勝率が54.2%と高い。5番人気以下となると昨年のアルマヴェローチェの1勝のみで、複勝率は3.1%と低い。

■表2 阪神JFのキャリア別成績(過去10年)

表2はキャリア別成績。2戦の馬が19年レシステンシアら過半数の6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。3戦の馬は21年サークルオブライフら4勝をあげ、連対率・複勝率は2戦の馬に次いで高い。これら2・3戦の馬の前走馬体重別成績では、前走460kg以上から勝ち馬10頭がすべて出ており、連対率26.0%・複勝率36.0%と優秀だ。

2・3戦以外では前走新馬戦を勝ったばかりの1戦の馬は2着1回のみ。4戦の馬は2・3着1回ずつで、5戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。

■表3 阪神JFの前走クラス別成績(過去10年)

表3は前走クラス別成績。前走新馬、未勝利組は苦戦傾向にあり、前走1勝クラス組は2着が5回と多いものの、勝ち星なし。前走オープンの好走馬3頭はすべて前走1800mで勝利していた。

出走数が多い前走重賞(JRAのみ)組は昨年のアルマヴェローチェら大半の9勝をあげ、複勝率22.5%。前走重賞組から出た勝ち馬9頭はすべて前走で連対を果たし、好走馬20頭中18頭が前走3着以内。この「前走重賞3着以内馬」は複勝率31.0%と優秀だ。

■表4 阪神JFの生産者別成績(過去10年)

表4は生産者別成績。出走数最多のノーザンファーム生産馬が18年ダノンファンタジーら大半の8勝をあげ、複勝率は33.3%と高い。これらノーザンファーム生産の勝ち馬8頭は、すべて前走馬体重460kg以上。該当馬は連対率39.3%・複勝率46.4%と優秀で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

社台ファーム生産馬は16年ソウルスターリングの1勝で、複勝率ではノーザンファーム生産馬に離されている。千代田牧場生産馬は21年サークルオブライフが優勝している。他では下河辺牧場が勝ち星こそないものの、出走馬3頭すべてが3着以内に入っている。

■表5 阪神JFの継続騎乗か乗り替わりかの成績比較(過去10年)

最後に前走から継続騎乗か乗り替わりかの成績比較では、前走から継続騎乗の馬が20年ソダシら8勝をあげ、連対率16.5%・複勝率23.5%。前走から乗り替わりの馬を連対率・複勝率ともに2倍以上上回っている。

前走から継続騎乗の馬の前走着順別成績では、前走1着馬が一昨年のアスコリピチェーノら過半数の6勝をあげており、複勝率31.0%。継続騎乗の好走馬20頭中19頭は前走3着以内に入っていた。今回も前走から継続騎乗で前走3着以内の馬に注目だ。

【結論】

ノーザンファーム生産馬ではスターアニスを最上位評価

今年の阪神JFは出走登録馬が多く、収得賞金400万円の馬は15分の7の抽選となる見込み。ノーザンファーム生産馬で賞金上位の馬はアランカール、アルバンヌ、ショウナンカリス、スターアニス、タイセイボーグの5頭だが、その中ではスターアニスを最上位に評価したい。

スターアニスは今年から重賞となった前走の中京2歳Sで2着。キャンディードにはクビ差敗れたが、3着には7馬身差をつけた。キャリア3戦で前走460kg以上(表2)、前走重賞で3着以内(表3)、ノーザンファーム生産馬で前走460kg以上(表4)、前走から継続騎乗で前走3着以内(表5)と好走データが揃っている。関西馬なので今回4番人気以内(表1)に支持されるようなら信頼度の高い一頭といえるだろう。

アランカール、ショウナンカリスは前走馬体重459kg以下が引っかかるところ。アルバンヌは前走1勝クラス組だが、関東馬で前走480kgは好材料。タイセイボーグはキャリア4戦だが、前走アルテミスS3着は不利な内目を通らされており、巻き返しは十分考えられる。

他ではヒズマスターピースが前走1勝クラスの赤松賞を勝利。関東馬で前走馬体重496kg、キャリア3戦で、スムーズにハナに行ければ穴で面白い。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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