JRA-VANコラム
【ヴィクトリアマイル×過去データ分析】短距離実績馬が近年躍進中!

春の東京で開催される5週連続G1の2戦目はヴィクトリアマイル。過去10年のデータを分析すると、前半5年の16~20年、後半5年の21~25年でレースの性質が少し変わった様子も見受けられる。今回はそのあたりを中心に紹介したい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

表1は、前走距離との比較で「今回延長」「同距離」「今回短縮」の成績を比較したデータで、16~20年と21~25年に分けて掲載している。注目すべきは「今回延長」で、前半5年では2着もなかったのに、後半5年では2勝を挙げ、勝率・連対率・複勝率のすべてで「同距離」や「今回短縮」を上回る数値になっている。

表1のデータを受けて調べたのが、芝1400mで1着実績を持つ馬の成績だ。違いは一目瞭然で、16~20年は【0.1.0.26】と振るわなかったのに、21~25年は【4.1.2.15】と躍進。近5年で4勝を挙げ、勝てなかった22年も2、3着に入っている。たとえば24年に大穴をあけたテンハッピーローズは、出走時点までに挙げていた5勝中4勝が芝1400mという馬だった。

同様に芝1200mで1着実績を持つ馬も、16~20年は【1.0.0.10】、21~25年は【2.0.2.6】と、近5年になって好走しやすくなっている。ここまでの表1~3のデータを見る限りでは、ここにきてヴィクトリアマイルでは芝1200~1400mに向いた馬も好走しやすくなってきたように思われる。

前走レース別の成績をチェックしておきたい。なお、グレードは現在のものに統一し、ヴィクトリアマイルで好走例があるレースのみ掲載した。最多の1~3着馬12頭を出しているのが阪神牝馬Sで、このレースに関しては次項でデータを紹介する。2番目に多い1~3着4頭を送り出したのが中山牝馬Sで、好走した4頭がいずれも4番人気以下という点でも要注意の前走だ。ほかに複数の好走馬を出した前走である1351ターフスプリント、大阪杯、高松宮記念は、今年は該当する登録馬がいない。

好走例が最多の前走阪神牝馬Sだが、16~20年は【3.3.3.33】、21~25年は【1.0.2.23】と、後半5年で成績を落としているのが気になるところ。加えて、過去10年を通じて前走1着馬が【0.1.1.8】と不振傾向で、前走2~5着馬のほうが好走しやすい傾向も見られる。また、前走6着以下から巻き返した16年のストレイトガール、24年のテンハッピーローズには芝1200~1400mで実績を積んでいたという共通項があり、近年の傾向を考慮しても侮れないパターンか。そのほか、阪神牝馬Sからジョッキーが継続騎乗する馬のほうが好走しやすい傾向も押さえておきたい。
【結論】
ドロップオブライト、ワイドラトゥール、アイサンサンに注目
人気が予想される昨年の二冠牝馬エンブロイダリーは阪神牝馬Sで古馬初戦を見事に飾ったが、データ的には歓迎とは言えない部分もある。過去10年で5勝のルメール騎手が継続騎乗する予定なのは幸いで、芝1400mの1着実績を持つ点も近年の傾向に合う。阪神牝馬S1着馬の不振データを覆したいところだ。
阪神牝馬S組は前走2~5着のほうが好走しやすいデータがあり、該当するのは前走2着のカムニャック。こちらは川田将雅騎手が継続騎乗を予定する。そして、阪神牝馬S6着以下から巻き返しを期待するのであれば、芝1200m4勝のカピリナということになる。
そのほか阪神牝馬S組に限らず、近5年のヴィクトリアマイルではマイル未満で実績を重ねてきた馬に要注意というデータを紹介した。その観点から、芝1200~1400mで2勝以上のドロップオブライト、ワイドラトゥール、アイサンサンにも注目したい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。


