JRA-VANコラム
ダートG1へ羽ばたく馬は? アンタレスS分析
阪神競馬場のダート1800mを舞台に行われるアンタレスS。格付けこそG3だが、既にG1を制していたゴールドアリュール(2003年・京都)や、後にG1タイトルを手にするホッコータルマエ(13年)、アウォーディー(16年)など、優勝馬にはダートの強豪が多く名を連ねている。このアンタレスSの傾向を、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して調べてみたい。集計期間は過去10年。京都競馬場で行われていた10~11年も対象としている。
過去10年の優勝馬10頭と、3着以内馬30頭中28頭は6番人気以内。中では3番人気が【2.2.3.3】で複勝率70.0%を記録し、単複の回収率も100%を大きく超えている。同じく複勝率70.0%の1番人気も、単複回収率85%と悪くない。また、単勝最高配当は1450円(10年ダイシンオレンジ)で、15倍未満くらいには収まる馬を中心に組み立てたいレースだ。
年齢別では5歳馬が7勝をマークし、勝率は21.2%と群を抜いている。ただ2~3着が少なく、複勝率では4歳馬もほぼ互角だ。6歳馬の好走も見られるが、好走確率、回収率ともに4~5歳馬とは差があり、7歳以上のベテランは2、3着各1回と苦しい。
前走別で好走馬が多く、好走確率も高いのは地方競馬出走馬で、全31頭中30頭はダートグレード競走に出走していた。また、該当馬はあまり多くないものの、前走で中央G1~G2に出走していた馬も好走確率は高い。中央G3、オープン特別、1600万条件(現3勝クラス)からも優勝馬計5頭が出るなど無視はできないが、いずれも連対率はひと桁だ。
表4は、前走で地方競馬に出走していた3着以内馬11頭で、全馬が前走では4番人気以内かつ4着以内。好走馬を出しているのは名古屋大賞典とダイオライト記念の2競走のみ。該当馬の多い名古屋大賞典組は【4.4.0.5】連対率61.5%。6歳以下の馬にかぎれば【4.4.0.2】で同80.0%にもなる。
一方、ダイオライト記念組は好走した3頭中2頭が7歳馬。表2にあった7歳以上の好走馬2頭はこのレースから出ていた。また、3頭の距離実績をみると、10年のフサイチセブンは1800mの経験こそなかったが、1700~1900mでは【4.1.0.0】。14年のトウショウフリークは直近の1800m戦・前年夏のBSN賞を逃げ切るなど、ダートのこの距離で6勝をマーク。そして同年のニホンピロアワーズは、やはり直近の1800m戦にあたる3走前の東海Sを制し、ほかに前年の本競走2着、前々年のJCダート優勝などの実績があった。ダイオライト記念組は600mの距離短縮になるため、1800m前後での実績も重要だ。
前走中央G1~G2からの好走馬は表5の7頭である。この組も全体で【1.2.4.10】複勝率41.2%、6歳以下にかぎれば【1.2.4.5】同58.3%と注目は欠かせない。好走馬の前走着順はまちまちだが、7頭中5頭は2走前に3着以内に入っていた。残る2頭、15年のクリノスターオーは3走前にG3のシリウスSを制し、17年のロワジャルダンは同じく3走前のG3・みやこSで3着。近3走の成績から、G3なら巻き返しが見込めそうな馬でなければ苦しい。
中央G3組は好走した8頭中5頭が前走連対馬で、馬券圏外から巻き返した3頭は4歳馬かつ2走前の連対馬だった。5~6歳なら2戦連続馬券圏内、4歳馬なら前走か2走前に連対していることが好走条件だ。なお、この組の優勝馬2頭は平安S組で、今年は該当馬不在。マーチS組は計【0.3.3.50】と、好走しても勝利までは届いていない。
最後に表7は、前走オープン特別と1600万条件(現3勝クラス)からの好走馬4頭である。このうち3頭は前走1着で、2着とのタイム差は0.6秒以上。この組全体でも前走0.6秒差以上の1着馬はこの3頭しかおらず、該当すれば勝率は100%だ。なお16年のサージェントバッジは、前走オープン特別で10番人気13着という成績ながら、このレースではなんと5番人気(単勝23.4倍)。中位人気勢の評価が低い年だった。
以上、アンタレスSの傾向をまとめてみた。好走馬の大半を6番人気以内の馬が占め、前走で地方競馬、特に名古屋大賞典に出走していた馬や、中央のG1~G2に出走していた馬の好走確率が高かった。本年の登録馬では、前走・名古屋大賞典を制した5歳馬ロードゴラッソや、昨年の本競走優勝馬で前走ダイオライト記念勝ちのアナザートゥルースが出走すれば特に注目したい。また、3勝クラスの甲南Sを6馬身差で圧勝したリワードアンヴァルも楽しみな存在だ。
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