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JRA-VANコラム

10番人気以下の好走が連鎖中!? 日本ダービーを占う!

2020年5月28日 14:10配信
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2020/4/19 中山11R 皐月賞(G1) 1着 1番 コントレイル

今週は日本ダービーが行われる。まずはコントレイルが無敗で春のクラシック2冠を達成するかが大きな注目点だ。皐月賞を制した強いパフォーマンスを見る限り、その可能性は十分あると考えられる。しかし、馬券は堅い決着になるとは限らない。圧倒的1番人気が必至のコントレイルが仮に勝利したとしても、2着や3着に人気薄の馬が来れば3連複や3連単は高配当になることもある。

2018年の日本ダービー以降、東京芝2400mのクラシックでは毎レース10番人気以下の馬が3着以内に好走している。毎レース好走している。先週のオークスでも13番人気のウインマイティーが3着と好走。伏兵馬の激走が連鎖的に起きているのだ。この点に注目して、今年の日本ダービーの展望をしてみたい。データ分析にはいつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 2018年日本ダービー成績

まずは前述した2018年の日本ダービーを振り返る。5着までに入った馬を表1に記した。この年は5番人気のワグネリアンが勝利し、2着が4番人気のエポカドーロ。3着に16番人気のコズミックフォースが入った。単勝オッズ223.7倍という超人気薄が激走したことで、3連単は285万6300円という高額配当だった。4着のエタリオウも13番人気で、3着馬とはハナ差の接戦だった。好走馬の実績を調べると、過去に東京芝のレース(特に重賞やオープン特別)や、芝2000m以上で勝利していた馬が多かったことがわかる。

例えば、ワグネリアンは前年に東スポ杯2歳Sを勝利していた。皐月賞では7着に敗れたが、コースが替わって大きな変わり身をみせた。コズミックフォースは前走プリンシパルSを勝ち、ダービーに駒を進めた。レースの格では青葉賞や京都新聞杯よりも劣るが、東京芝のオープン特別を勝っていたので軽視してはいけなかった。エポカドーロは東京芝が未経験だったが、皐月賞馬であり3走前はあすなろ賞(小倉芝2000m)を勝利。芝2000mのレースを2勝していた。

■表2 2019年オークス成績

東京芝2400mのクラシックを時系列で追うと、次は2019年のオークス(表2)だ。このレースでは12番人気のカレンブーケドールが2着に入った。同馬は東京芝1800mのスイートピーSで1着となり、オークスへの優先出走権を獲得。前走東京芝のオープン特別を勝利という点ではコズミックフォースと全く同じだ。なお、勝ち馬のラヴズオンリーユーは東京未経験だったが、前走阪神芝2000mの忘れな草賞を勝利。通算成績が3戦3勝の無敗馬だった。そして3着クロノジェネシスは東京のクイーンCとアイビーSを勝利していた。

■表3 2019年日本ダービー成績

続いて2019年の日本ダービーを振り返る(表3参照)。12番人気のロジャーバローズが優勝を果たした。皐月賞不出走馬がダービーを勝つケースはめずらしく、しかも前走は京都新聞杯で2着と敗れていた馬だ。東京芝も未経験。しかし、京都芝2000mの福寿草特別で勝利していた。

この年は皐月賞馬サートゥルナーリアが圧倒的1番人気で4着と敗れたことも波乱の大きな要因だった。スタートで出遅れたことが大きかったが、東京芝は未経験だったことも多分に影響したはず。皐月賞3着以内馬で唯一東京芝の重賞を勝っていたのがダノンキングリー(共同通信杯)。皐月賞ではサートゥルナーリアとヴェロックスに負けたが、ダービーでは先着した。こうした結果になったのは偶然ではない気がする。また、東スポ杯2歳S1着の実績があったニシノデイジーも5着(13番人気)に食い込んでいた。したがって、東京芝の好走実績の有無はかなり重要なファクターだと考えたい。

■表4 2020年オークス成績

そして先週のオークスの結果が表4。デアリングタクトが1番人気に応えて勝利し、無傷の4連勝で牝馬クラシック2冠を達成した。東京芝も距離2000mも未経験だったが、力の違いをみせつけた。無敗馬だからこそ成せた業とも言える。2着には前走フローラSを勝っていた7番人気のウインマリリンが入線。3着には13番人気のウインマイティーが入った。両馬ともに桜花賞には出走できなかったが、前走芝2000mの重賞・オープン特別で1着。結果論ではあるが、2018年日本ダービーからのこうした傾向がわかっていれば、十分予測できたはずだ。なお、4着リアアメリアは東京でアルテミスSを勝利、5着マジックキャッスルはクイーンCで2着と、東京芝1600mの重賞で好走実績がある馬が善戦を果たした。

これだけ毎回同じようなパターンの激走を見せられると、今回のダービーでも当然警戒せざるを得ない。とにかく東京芝のレース(特に重賞やオープン特別)や、芝2000m以上で勝利している馬に注目したい。

■表5 今年の日本ダービー出走予定馬

【結論】

それでは今年の日本ダービーを占っていくことにする。出走予定馬は表5の通り。

皐月賞馬コントレイルはここまで4戦4勝。3走前に東スポ杯2歳Sを、2歳レコードをマークして5馬身差で圧勝した。昨年は無敗で皐月賞を制したサートゥルナーリアがダービーでは4着に敗れたが、同馬は東京芝の経験がなかった。この違いはとても大きいとみる。コントレイルは無敗で春のクラシック2冠を達成できる可能性が高そうだ。

皐月賞で2着と惜敗したサリオスは3走前にサウジアラビアロイヤルCを2歳レコードで完勝している。適距離はマイルで、本質的には2400mは長そうだ。しかし、皐月賞で2000mにも対応してみせた。一連の成績だけを見ると、今回もこなして不思議はない。

その他に東京芝の重賞やオープン特別で勝利している馬はダーリントンホール(共同通信杯)、ビターエンダー(プリンシパルS)、ワーケア(アイビーS)。特にダービートライアルを勝っているビターエンダーは気になる馬だ。だが、同馬は2走前皐月賞(14着)に出走していた。ダーリントンホールも前走は皐月賞6着だ。近年はクラシックには出走していない馬が穴をあけているので、推奨しづらい。よって、前走弥生賞ディープインパクト記念が2着で、皐月賞を回避したワーケアに注目してみたい。先週のオークス2着のウインマリリンと同じく、手塚貴久厩舎の管理馬というのも不気味だ。

同じく皐月賞は不出走で前走京都新聞杯2着のマンオブスピリットにも注目。東京芝は未経験だが、この点も含めて昨年のロジャーバローズと似ている。人気は全然ないかもしれないが、そんなことは気にする必要はない。むしろありがたいくらいだ。今年の日本ダービーは、10番人気以下の馬が激走する連鎖が続くかどうかという点にも注目して見守りたい。

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