JRA-VANコラム
真夏のハンデ重賞! 小倉記念を分析する
今週から開幕する小倉競馬の日曜メインには真夏のハンデ重賞、小倉記念が組まれている。七夕賞、函館記念に続くサマー2000シリーズの3戦目に指定されており、注目の一戦だ。今回は小倉記念をピックアップし、2010年以降・近10年のレース傾向から馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は小倉記念・近10年の人気別成績。1番人気馬は一昨年トリオンフ、昨年メールドグラースと近2年続けて勝利しているものの、連対率30%・複勝率50%とやや低め。以下、3番人気馬が3勝、4番人気馬が2勝、6・9・11番人気馬が1勝ずつをあげている。11番人気馬は16年クランモンタナが勝利している。
上位6番人気まで複勝率は30~50%で、ほぼ横並びの様相を示している。近3年は6番人気以内の馬が3着以内を占めており、堅めの決着が続いている。
表2は枠番別成績。外めの6~8枠に入った馬が過半数の7勝をあげている。特に大外の8枠は一昨年のトリオンフら最多の4勝をあげ、勝率・複勝率トップだ。連対率が最も高いのは6枠で、複勝率でも30.0%と8枠の馬に迫っている。これに続くのが3枠の馬で、13年メイショウナルトら2勝。なお、最内の1枠からは連対馬が出ていない。
表3は斤量別成績。勝ち馬は52~57.5キロまで幅広く出ているが、黄色で強調した56キロ以上の馬の複勝率が高い。これら56キロ以上の馬が近10年の3着以内馬30頭中17頭と過半数を占めている。なお、51キロ以下の軽量馬は3着以内に入っていない。
表4は前走クラス別成績。前走G1組が好成績をあげているが、今年は出走予定馬がいない。出走数が抜けて多い前走G3組は16年クランモンタナら近4年続けて勝ち馬を出しており、過半数の7勝をあげている。昨年は1着メールドグラースが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。
また、前走1600万下(現3勝クラス)組は15年アズマシャトルら2勝をあげ、連対率では前走G3組を上回っている。この組の3着以内馬4頭はいずれも前走で4着以内に入っていた。なお、前走G2組、前走オープン特別(リステッド競走を含む)組は不振傾向にある。
表5は前走からの距離増減別成績。出走数が多い同距離組については前走での人気を記している。距離短縮組は14年サトノノブレスが勝利し、複勝率31.3%と優秀だ。
出走馬の半数以上を占める同距離組は大半の9勝をあげており、単勝回収率は100%を超えている。同距離組は黄色で強調したように前走1・2番人気馬と前走6~9番人気だった馬に注目。前走1番人気馬は一昨年のトリオンフら3勝、前走2番人気馬は13年メイショウナルトが勝利し、それぞれ複勝率50%以上と非常に高い。
また、前走6~9番人気だった馬は11年イタリアンレッドら3勝をあげ、複勝率39.1%と優秀だ。3着以内馬9頭はすべて前走で重賞を使われていた。前走が2000mの重賞で6~9番人気だった馬は穴で狙い目といえるだろう。なお、距離延長組からは勝ち馬が出ておらず、連対率4.9%・複勝率9.8%と低い。
最後に表6は前走からの斤量増減別成績。今回斤量増の馬は昨年のメールドグラースら3勝をあげ、連対率23.5%・複勝率35.3%でトップ。3着以内馬6頭中5頭は上位4番人気以内に支持されていた。
今回斤量減の馬は14年サトノノブレスら4勝をあげ、連対率・複勝率は斤量増の馬に次いで高い。この組は前走から1~1.5キロ減の馬が好成績をあげており、複勝率は斤量増の馬を上回っている。なお、斤量増減なしの馬は10年ニホンピロレガーロら3勝も、連対率・複勝率ともに最も低い。
今年の出走予定馬は表7のとおり。
これまでのデータから推奨したいのがサマーセントとランブリングアレーの2頭。サマーセントは前走マーメイドSで重賞初制覇を果たしている。前走は今回と同距離の重賞で7番人気、斤量増もプラス材料だ。マーメイドS勝ちがフロック視されるようだと面白い。
ランブリングアレーは近2走で2勝クラス、3勝クラスを連勝。前走は今回と同じ芝2000m戦を1番人気で勝利している。斤量は前走から2キロ減の53キロ。本格化した今なら3連勝で重賞制覇も十分にありえる。
次いで前走2000mの鳴尾記念で2番人気だったサトノルークス、マーメイドSで8番人気だったサラス、七夕賞で9番人気だったノーブルマーズも連下候補で挙げておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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