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JRA-VANコラム

道悪の可能性が高い毎日王冠を分析する!

2020年10月8日 18:50配信
記事提供:

トーラスジェミニ

開幕週となる東京競馬では日曜に伝統のG2、毎日王冠が行われる。秋競馬本番を迎えるが、今週は週末にかけて雨予報が続き、日曜段階で道悪馬場になっている可能性が高い。今回のデータde出~たでは毎日王冠をピックアップし、近10年のレース傾向ならびに東京芝1800mにおける道悪馬場での脚質別成績から狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 毎日王冠 近10年の人気別成績

まず表1は毎日王冠・近10年の人気別成績。1番人気馬が昨年のダノンキングリーら過半数の6勝と勝ち切る傾向が強い。ただ、1着か4着以下か、ハッキリ分かれている。以下、3・4・6・8番人気馬が1勝ずつ。2・3着馬は下位人気まで幅広く分布しており、10番人気以下も2着2回(11・12番人気)、3着1回(11番人気)と激走している。

昨年は1→2→3番人気の順で3連単1000円と非常に堅い決着でおさまったが、過去10年では3連単30万円以上が3回と波乱となるケースもある。結果的に1番人気馬が勝ち切れるかどうかの比重が大きい一戦といえる。

■表2 毎日王冠 近10年の1番人気馬 成績と前走成績

表2は1番人気馬の着順と前走成績をまとめたもの。昨年のダノンキングリーら人気に応えて勝利した6頭はいずれも3・4歳馬で、今回と同コースのエプソムCを勝利もしくは東京芝のG1で連対を果たしていた。

前走5着以下だった2頭は今回も馬券圏外に敗れているように、前走東京で好走している経験が大きいといえそうだ。

■表3 毎日王冠 近10年の年齢別成績

表3は年齢別成績。3歳馬が昨年のダノンキングリーら3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。連対した7頭はいずれも前走東京芝のG1を使われていた。

4歳馬は一昨年のアエロリットら最多の4勝をあげ、複勝率は3歳馬に次ぐ36.7%と高い。5歳馬は17年リアルスティールら2勝、6歳馬は13年エイシンフラッシュが勝利。なお、7歳以上からは連対馬が出ていない。

■表4 稍重で行われた毎日王冠の3着以内馬

表4は近10年の毎日王冠において良馬場以外で行われた10年と16年の3着以内馬一覧。ともに稍重で行われ、前半のペースこそ違っていても勝ちタイムは1分46秒台半ばの決着となっている。

また、好走馬の4コーナー通過順を見ると、10年・16年ともに差し・追い込み馬が多く好走している。特に16年はスローペースにもかかわらず、後方からの追い込み馬が上位を占める結果となった。稍重なら差し・追い込み馬に注目しておきたい。

■表5 稍重で行われた東京芝1800m戦の脚質別成績と上がり順位別成績

表5は2015年以降に稍重で行われた3歳上2勝クラス以上の東京芝1800m戦、全12レースにおける脚質別成績と上がり順位別成績。脚質別では逃げ馬が17年府中牝馬Sでのクロコスミアら2勝をあげ、連対率・複勝率とも41.7%でトップ。先行、差し、追い込みは複勝率がほぼ同じだった。

上がり順位別成績は、2位以内の馬が大半の9勝をあげ、1位・2位ともに複勝率75%以上と馬券に絡む可能性が高い。また1位・2位は、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。

■表6 重・不良で行われた東京芝1800m戦の脚質別成績と上がり順位別成績

表6は2015年以降に重もしくは不良で行われた3歳上2勝クラス以上の東京芝1800m戦、全8レースにおける脚質別成績と上がり順位別成績。重・不良まで馬場が悪化すると、黄色で強調したように逃げ・先行馬の好走率が上がっている。というよりも後方にいたのでは追い込めないという状況で、前が残る結果になりやすい。

上がり順位別成績も2位以内の馬は3勝で、複勝率も稍重に比べて下がっている。複勝回収率は100%を超えているが、速い上がりが使える優位性は稍重に比べてかなり落ちている。

■表7 今年の毎日王冠の出走予定馬(10/7時点)

今年の出走予定馬は表7のとおり。

東京地方は日曜にかけて雨が降る予報となっており、良馬場以外で行われる公算が高い。ただ、どの程度馬場が悪化するかは未知数で、稍重となった場合、重・不良になった場合について別に考えたい。

1番人気が予想されるのは前走日本ダービーで2着だったサリオス。稍重馬場の皐月賞ではコントレイルと半馬身差の2着だった。前走G1で連対しており、好相性の3歳馬。不良馬場となると未知数だが、重馬場までなら勝つ可能性は最も高いだろう。

表5、表6で示したように稍重、重・不良どちらも逃げ馬の好走確率が高く、トーラスジェミニの逃げ粘りには期待したい。4走前のエプソムCでは最低人気ながら逃げて3着と好走している。近2走の2000mから1ハロン短縮するのも好都合で、侮れない一頭だ。

稍重までなら前走関越Sを勝利したザダルを推奨しておきたい。前走は上がり最速の32秒8で3馬身差の快勝。今回と同コースの2走前・メイSでは上がり最速で僅差3着に入っており、今回も上位の上がりを使える公算が高い。追い込みが効く馬場ならばサンレイポケットの差し脚にも注意したい。

差し・追い込み不発の不良馬場ならば、不良馬場のエプソムCを勝利したダイワキャグニーに注目。去勢明けとなるが、コース・距離ともにベストな条件だ。

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