JRA-VANコラム
皐月賞組は継続騎乗を重視! 日本ダービーを分析する
日曜に東京競馬場で競馬の祭典、日本ダービーが行われる。昨年は4戦無敗のコントレイルが1番人気に応えて優勝。今年も皐月賞馬エフフォーリアがここまで4戦4勝、2年連続で“無敗での二冠制覇”がなるかに注目が集まる。また、桜花賞2着のサトノレイナスが参戦、同馬を含めて他馬による勝利なるかも焦点だ。今回は2011年以降・近10年の結果から今年の日本ダービーを展望していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は日本ダービー近10年の人気別成績。1番人気馬は昨年のコントレイルら最多の4勝をあげており、連対率50%・複勝率70%。2番人気馬は17年レイデオロが勝利し、複勝率40%。3番人気馬が16年マカヒキら3勝をあげ、連対率は60%でトップだ。上位3番人気以内馬が大半の8勝をあげ、計【8.6.4.12】で複勝率60%と安定している。
以下、5番人気馬が1勝、10番人気以下は一昨年ロジャーバローズが12番人気で勝利している。近3年は18年3着コズミックフォース(16番人気)、一昨年1着ロジャーバローズ(12番人気)、昨年3着ヴェルトライゼンデ(10番人気)と2ケタ人気馬が一頭ずつ好走しているが、3連単の配当は18年285万6300円、一昨年19万9060円、昨年5140円とかなりバラついている。結果的に1番人気馬が勝つかどうか、また勝たなくても馬券に絡むかどうかで配当がかなり変わってくる一戦だ。
表2は近10年で単勝1番人気に支持された馬の成績。4着以下に敗れた3頭のうち、12年ワールドエースと一昨年のサートゥルナーリアはダービー以前に東京でのレース経験がなかった。18年ダノンプレミアムは皐月賞を回避し、弥生賞以来の実戦だった。
また近3年の1番人気馬はいずれも無敗でダービーに挑戦しており、昨年のコントレイルのみ勝利している。
表3は馬番別成績。最内の1番に入った馬が一昨年のロジャーバローズら2勝をあげ、連対率40%・複勝率50%と優秀だ。11年2着ウインバリアシオン(10番人気)、一昨年1着ロジャーバローズ(12番人気)と2ケタ人気が2頭連対しており、人気薄でも注意が必要だ。
これら内の1~5番に入った馬が過半数の6勝をあげている。対して、15番から外は17番に入った18年ワグネリアンの1勝のみで、のべ【1.0.1.38】と苦戦傾向にある。15・16番は3着以内馬が出ておらず、大外の馬番に入った馬も17年アドミラブルの3着1回のみだった。また、黄色で強調したように奇数馬番に入った馬が勝利数、勝率・連対率・複勝率ともに偶数馬番の馬を上回っている。
表4は前走レース別成績。出走馬の約半数を占める皐月賞組が16年マカヒキら大半の8勝をあげ、全3着以内馬30頭中20頭を占めている。昨年は上位3着までを独占し、14年以降の近7年では毎年2頭以上が3着以内に入っている。
京都新聞杯組は13年キズナ、一昨年のロジャーバローズと2勝。これら好走した4頭はいずれもディープインパクト産駒だった。青葉賞組は勝ち星がなく、2・3着止まり。ただし、青葉賞組の前走1着馬は【0.2.1.6】で複勝率33.3%。注意しておきたい。
プリンシパルS組は18年コズミックフォースの3着1回のみで、連対馬が出ていない。NHKマイルC組は出走した22頭がいずれも4着以下に敗れている。
表5は皐月賞組の前走人気別成績。黄色で強調したように皐月賞組の勝ち馬8頭はいずれも前走で5番人気以内に支持されていた。なかでも前走皐月賞で3~5番人気だった馬が6勝と目立っている。3着以内数も20頭中18頭が前走5番人気以内で、前走6~9番人気馬は2・3着1回ずつ。前走10番人気以下だった馬からは好走馬が出ていない。
表6は皐月賞組について、前走から継続騎乗、または乗り替わりかによる成績比較。前走から継続騎乗だった馬がこの組の3着以内馬20頭中19頭までを占めている。対して、乗り替わりで3着以内に入ったのは11年3着ベルシャザール(8番人気)のみ。乗り替わりの中にはダービーで上位4番人気以内だった馬が7頭いたものの、すべて4着以下に敗れている。
表5のデータと合わせると、皐月賞組で前走5番人気以内、かつ皐月賞から継続騎乗の馬はのべ【8.6.3.15】で、複勝率53.1%と非常に優秀。近2年の3着以内馬6頭中5頭がこのタイプだ。
表7は皐月賞以外の組の前走着順別成績。前走1着馬は13年キズナが勝利し、複勝率20.6%とチェックしておきたい存在。前走2着馬は一昨年ロジャーバローズが勝利するも、複勝率は7.7%と低い。前走3着以下から好走したのは14年3着マイネルフロストのみと厳しい。なお、皐月賞以外の組の3着以内馬10頭中7頭は前走から継続騎乗の馬だった。
表8は前走上がり順位別成績。前走上がり最速だった馬は15年ドゥラメンテら過半数の6勝をあげており、複勝率も31.0%と高い。好走馬は前走G1かG2を使われており、前走G2組は【1.2.1.5】で複勝率44.4%、前走G1組は【5.0.0.10】で1着か4着以下かハッキリ分かれていた。
今年の日本ダービーの出走予定馬は表9のとおり。
表6で、皐月賞組の前走から継続騎乗か乗り替わりかの比較を示した。前走から継続騎乗の馬が今年のNHKマイルCでは上位3着までを占め、オークスでは1・3着が該当。今回の日本ダービーでは前走から乗り替わりの馬が多いものの、継続騎乗の方を重視したい。
1番人気が予想されるエフフォーリアは稍重だった前走の皐月賞で3馬身差の快勝。前走2番人気と皐月賞組の勝ち馬ゾーンに入っており、東京芝でも2勝をあげている。横山武史騎手が4戦続けて手綱を取っており、今回も勝利に一番近い存在と見る。
牝馬のサトノレイナスは、前走の桜花賞では上がり最速となる32秒9の脚で2着。表8で述べたように前走G1における上がり最速馬は【5.0.0.10】で、一発の魅力がある。牡馬に比べて斤量が2キロ軽いのも有利で、瞬発力勝負になれば1着も十分に考えられる。
穴候補としてはヴィクティファルスとワンダフルタウンの2頭を挙げておきたい。ヴィクティファルスは皐月賞で9着に敗れたものの、当時4番人気に支持されていた。共同通信杯ではエフフォーリアの2着と好走し、シャフリヤールに先着している。池添騎手が継続騎乗なのも強調材料で、皐月賞からの巻き返しが期待できる。ワンダフルタウンは約5か月ぶりだった青葉賞を勝利。和田竜二騎手が継続騎乗となり、前走からの上積みも大きいはず。左回りは2戦2勝と相性が良く、前走が過小評価されるなら面白い一頭だ。
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