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JRA-VANコラム

前走東京組の巻き返しに要注意!? ラジオNIKKEI賞を分析する

2021年7月1日 16:00配信
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今週は日曜日に福島競馬場でラジオNIKKEI賞が行われる。ハンデ戦で距離は1800mだが、秋の菊花賞戦線に向かう馬にとって賞金を加算する大きなチャンスだ。いつものように過去10年(中山で行われた2011年も含む)のデータを分析し、レースの傾向を探っていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年のラジオNIKKEI賞で3着以内に好走した馬(1)

表1は過去10年のラジオNIKKEI賞で3着以内に好走した馬(1)として、前走場所(競馬場)が東京以外だった馬をまとめたもの。好走馬30頭中14頭が該当した。2018年は1着メイショウテッコン、2着フィエールマン、3着キボウノダイチと上位を独占。19年は1着ブレイキングドーンと3着ゴータイミング、20年は1着バビット、2着パンサラッサ、3着ディープキングとこの年も上位を独占。近3年は特に好走が多くなっている。

これらの馬の前走レースを調べると、白百合Sで3着以内に入っていた馬がメイショウテッコンなど4頭いた。オープンクラスの芝1800mで好走実績があるという点が、本競走ではやはり有利と言えそうだ。その他の好走馬は1勝(500万)クラスのレースで勝っている馬がほとんど。19年1着ブレイキングドーンだけ前走京都新聞杯6着と着順が良くなかった。

また、表1の備考に記した別の実績にも注目したい。フィエールマンとセダブリランテス、フレールジャックは2戦2勝の成績だった。キャリアは浅いが無敗の素質馬として認められ、本競走では2番人気以内に支持されていた。昨年優勝したバビットも4戦2勝2着2回と連対率は100%と底を見せていなかった。また、同年2着パンサラッサは京都芝2000mの未勝利戦を大差で勝っていた。そして13年3着アドマイヤドバイはきさらぎ賞で3着の実績があった。前述のブレイキングドーンは前年にラジオNIKKEI杯京都2歳Sで2着と好走していた。このように前走以外にも光るポイントのある馬が狙い目となっている。

■表2 過去10年のラジオNIKKEI賞で3着以内に好走した馬(2)

続いて表2は過去10年のラジオNIKKEI賞で3着以内に好走した馬(2)として、前走場所(競馬場)が東京だった馬をまとめたもの。好走馬30頭中16頭が該当した。1番人気が4頭いる一方、10番人気以下の伏兵も3頭いる点は目立つ。また、8番人気が2頭、9番人気が3頭もいる。表1よりも穴馬がたくさん出ている印象だ。

これだけ穴馬が多い理由として考えられるのは、前走着順が悪いケースが多いという点だ。例えば、19年2着マイネルサーパスは前走日本ダービーが11着、14年3着ウインフェニックスは前走NHKマイルCで11着と大きく敗れていた。これはG1の成績なので、G3の今回では大目に見られてもいいはずだが、意外と人気にならないことがあるようだ。

また、前走ダービートライアル組も同様で、15年3着マルターズアポジーは前走プリンシパルSで17着と惨敗していたが、福島に替わった本競走で巻き返した。また、前走1勝(500万)クラスや2勝(1000万)クラスの特別戦に出走していた馬も侮れない。17年3着ロードリベラルは前走江の島特別で9着と敗れていた。

しかしながら、前走東京のレースに出走していた馬をすべてマークするのは効率が悪い。前走以外の実績にも目を向けるべきだろう。まずは1勝クラスの福島芝1800m戦・きんもくせい特別を勝っていたのがマイネルサーパスとロードリベラルだ。そして、1勝クラスの福島芝2000m戦・ひめさゆり賞を勝っていたのがマルターズアポジー。今回の福島芝1800mに近いコースで結果を出していた

そして、1勝クラスの中山芝1800~2000mで好走実績があったのはウインガナドル(寒竹賞3着)やゼーヴィント(山藤賞1着)、ウインマーレライ(アスター賞1着)などだ。また、芝1800~2000mのオープン特別・重賞で好走していたのが、クラリティシチー(スプリングS3着)やケイアイチョウサン(京成杯3着)など。基本的にはコーナーが4回の芝1800~2000mで実績がある馬は、巻き返してくる可能性も十分と考えたい。また、コーナーは2回のレースだが毎日杯はメンバーのレベルが高くなりやすいので、好走馬は要注意だろう。

【結論】

それでは今年のラジオNIKKEI賞を占っていくことにする。出走予定馬は表3の通りだ。

■表3 今年のラジオNIKKEI賞出走予定馬

まず前走レース場所が東京以外だった馬のなかで、前走1勝クラスを勝っているのがアイコンテーラー、ジュンブルースカイ、タイソウ、デルマセイシ、プレイイットサムだ。さらに絞り込むために別の実績に注目し、昨年の東スポ杯2歳Sで3着に入っているジュンブルースカイと、ここまで3戦2勝2着1回で連対率100%のプレイイットサムを挙げてみたい。

前走芝1800m以上のオープン特別・重賞で3着以内に入っているのはボーデン(賞金的には除外されてしまうが、ハンデが55キロと上位なので抽選次第で出走可能)。前走スプリングSで3着と好走している点が光る。同レースで2着のアサマノイタズラの方が実績的には上位だが、前走皐月賞を使い16着と大きく敗れているのがどうでるか。

一方、前走レース場所が東京だった馬のなかでは、前走プリンシパルS組のスペシャルドラマヴァイスメテオールに注目。ともに1勝クラスは中山芝1800~2000mを勝っている。また、ノースブリッジは前走青葉賞13着だが、2走前に葉牡丹賞(中山芝2000m)を4馬身差で逃げ切っている。この3頭は東京→福島のコース替わりで浮上してくる有力馬とみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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