JRA-VANコラム
真夏の熱戦・小倉記念を制する馬は?
サマー2000シリーズ第3戦・小倉記念。2018年、2019年と1番人気馬が連勝した一方で、昨年は10→6→13番人気の決着で3連単137万馬券が飛び出すなど、ときに大波乱もあるレースだ。今年はどんな結果が待っているのか、過去10年の傾向を分析したい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
過去10年の人気別では、1~4番人気が連対率30.0%で横並び。配当妙味や勝率も考慮すれば、上位人気なら3、4番人気あたりを重視したい。連対率・複勝率のトップは【1.3.2.4】の6番人気で、それぞれ40.0%、60.0%を記録している。また、2桁人気も計4頭が好走しており警戒が必要だ。なお、7~9番人気は連対なし。単勝オッズでみると10.0~15.9倍の馬は【0.0.4.12】に終わっているため、レース直前の人気・単勝オッズまで見た上で馬券を組み立てたいレースだ。
ハンデ別の成績をみると57.5キロ以上の馬が高複勝率を記録しているが、今年は該当馬不在となった。54~57キロは好走確率に大差がなく、53キロもさほど悪くないだけに、53キロ以上であればハンデはあまり気にしなくても良いだろう。52キロ以下の軽ハンデ馬は【1.0.0.16】と苦戦を強いられている。
年齢別では4、5歳馬が優勝馬10頭中9頭を占め、好走確率も上々。今年は連対率100%を記録する3歳馬の登録がなかったため、この4、5歳馬中心で間違いなさそうだ。なお、性別では牡・セン馬【9.9.9.99】、牝馬【1.1.1.11】で、どちらも勝率7.1%、連対率14.3%、複勝率21.4%。好走した牝馬3頭はすべて5歳馬だった。
※背景灰は本年の該当馬不在
前走クラス別で好走馬が多いのは中央G3組で、3着以内馬30頭中18頭。好走確率は3勝クラス組が高い。また前走距離別の成績をみると、同じ2000m戦に出走していた馬が【9.5.7.66】と3着以内馬30頭中21頭を占め、好走確率や単複の回収率も優秀だ。好走確率が高い距離短縮馬は登録がないため、前走2000m戦出走馬を中心に据えたい。
最後に表5は、前走3勝クラス組と前走中央G3組について、それぞれ前走着順別の成績を調べたものである。信頼性が高いのは前走G3連対馬だが今年は不在。そのG3組で3~5着だった馬は連対がなく、掲示板外に敗れていた馬でも巻き返しが可能だ。一方、3勝クラス組は前走を勝ち上がってきた馬が【0.1.1.10】で複勝率16.7%、前走2着以下が計【3.0.0.6】同33.3%と、前走を勝っていても強調材料にはならないことには注意したい。
【結論】
小倉記念は前走で同じ2000m戦に出走していた馬が3着以内馬30頭中21頭を占めている(表4)。今年の登録馬で該当するのはアールスター、イロゴトシ、ショウナンバルディ、モアナアネラの4頭だが、本稿執筆時点の想定ではイロゴトシとモアナアネラは出走を回避する模様だ。
残る2頭のうちショウナンバルディはハンデ53キロ以上(表2)、4~5歳(表3)、前走3勝クラスかG3(表4)という条件をすべて満たす。昨年の本競走は3勝クラス13着からのステップで7着に敗れたが、今回はここ3走3、2、3着と安定しており、昨年を大きく上回る結果を期待していいだろう。前走G3で3~5着(本馬は七夕賞3着)だった馬の連対がない点だけは少々気がかりだ(表5)。
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アールスターは昨年の本競走優勝馬。年齢をひとつ重ね6歳になったことは減点材料になるが、前走G3組は3~5着馬より掲示板を外していた馬のほうが連対まで届く可能性が高く、七夕賞11着からの一変が期待できる。
その他は距離延長馬になるが、距離延長で好走した5頭中4頭は本競走6番人気以下だったため、穴っぽい馬に注目したい。4~5歳馬・ハンデ53キロ以上の中から、3勝クラスで2着以下(表5)だったグランスピードやモズナガレボシあたりがおもしろそうだ。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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