JRA-VANコラム
前走内容にヒントあり! 北九州記念を分析する
今週は日曜に札幌記念、北九州記念と2鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出~たでは、小倉競馬場芝1200mで行われるハンデ重賞・北九州記念をピックアップ。2017年には3連単100万円以上の高配当が飛び出すなど波乱の要素が強い一戦を2016年以降近5年のデータから分析し、馬券的に狙えそうなタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は北九州記念近5年の3着以内馬一覧。2016~19年は良馬場、昨年は稍重で行われており、勝ちタイムは1分6秒6~8秒5と年にとってかなり差がある。16年は12頭立て(当初13頭立てから1頭除外)と他の年に比べて出走頭数が少なく、前半3ハロンが33秒6と遅かったが、近4年は前半32秒台と速めの流れになった。
勝ち時計が1分7秒5以内の17年、18年は4コーナー6番手以内の馬が上位を占めているが、その他の年は4コーナー10番手以下の馬が1頭ずつ3着以内に入っている。昨年は中団の内で脚を溜めたレッドアンシェルが抜け出して1着。2着には逃げたモズスーパーフレア、3着には後方から伸びたアウィルアウェイが入った。
今年は前の3回小倉開催の時計が非常に速く、2日目に行われたCBC賞は1分6秒0のレコード決着。ただ、4回開催の開幕週だった先週は雨の影響が強く、内を空けるコース取りが目立ち、時計も掛かり気味だった。今週、良馬場で行われたとして時計がどの程度出るのか、土曜メインの3勝クラス・佐世保Sに注目しておきたい。
人気面では1番人気【0.2.0.3】、2番人気【0.0.0.5】でともに勝ち星がなく、3番人気【1.1.1.2】で複勝率は60%のトップ。前述したように17年は2・3着に人気薄が入り、3連単107万8270円の大波乱となった。伏兵の激走が目立つ一戦となっている。
表2は枠番別成績。黄色で強調した6枠に入った馬は16年バクシンテイオーが勝利し、複勝率60%と非常に高い。昨年は3着アウィルアウェイが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。枠順はまだ出ていないが、6枠に入った馬はチェックしておきたい。
複勝率では5枠、3枠と続き、1枠と7枠からはともに3着以内馬が出ていない。
表3は前走レース別成績。出走数が多いのは上位3レースで、そのなかではアイビスSD組の連対率・複勝率が最も高い。ただし、今年はCBC賞が中京ではなく小倉で行われており、傾向は変わるかもしれない。
アイビスSD組以外の好走馬はすべて前走芝1200m組で、好走馬9頭中8頭は前走で3着以内に入っていた。
表4は前走着順別成績。黄色で強調した前走3着以内の馬が好走馬15頭中11頭を占めている。前走1着だった馬は18年アレスバローズら2勝をあげ、複勝率43.8%と優秀だ。昨年は2着モズスーパーフレアが該当し、毎年1頭は3着以内に入っている。前走3着馬は昨年のレッドアンシェルら2勝。前走で馬券圏内に入っている馬は引き続き注意したい。
前走6~9着から3着以内に巻き返した4頭中3頭は前走アイビスSD組だった。なお、前走2ケタ着順から巻き返した馬は出ていない。
表5は前走人気別成績。前走1・2番人気だった馬が好成績をあげている。前走1番人気の馬は勝ち星こそないものの、連対率42.9%・複勝率57.1%と非常に高い。前走2番人気の馬も一昨年のダイメイプリンセスら2勝をあげ、複勝率33.3%。これら前走2番人気以内の馬が出走してくれば、ぜひともチェックしていただきたい。
なお、前走10番人気以下だった馬は17着2着ナリタスターワン(前走12番人気)しか好走馬が出ていない。
最後に表6は前走からの斤量増減別成績。今回斤量増の馬は18年アレスバローズが勝利し、連対率40%・複勝率50%と非常に高い。複勝回収率も100%を超えている。この組の3着以内馬5頭はすべて前走で勝利をおさめていた。
斤量増減なしの馬は昨年のレッドアンシェルら近2年の勝ち馬を含む最多の3勝。3勝は8、9、8番人気での勝利で、伏兵の一発がある。なお、斤量減の馬は17年ダイアナヘイローの1勝のみで、複勝率は8.8%と最も低かった。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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