JRA-VANコラム
近年波乱続きの武蔵野Sを分析する!
今週は土曜に東京で武蔵野S、阪神でデイリー杯2歳S、日曜に阪神でエリザベス女王杯、福島で福島記念と4鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出~たでは、土曜東京メインのダート重賞・武蔵野Sをピックアップ。近5年で3連単15万円以上が4回、うち2回は100万円以上と非常に波乱傾向が強い一戦特徴をデータから探っていく。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は2016年以降近5年の武蔵野Sの3着以内馬一覧。昨年はサンライズノヴァが18年以来となる2回目の勝利を決めた。同馬は近4年連続で武蔵野Sに出走しており、17年は12着、19年は5着に敗れている。
勝ちタイムは重馬場で行われた16年のみ1分33秒8と格段に速く、その後は1分34秒6~35秒5の間におさまっている。また、好走馬の上がりは34~35秒台が大半と、速い上がりが求められるレースだ。近3年では18年3着ナムラミラクル以外、4コーナー6番手以降からの差し・追い込みが決まっている。
17年のように先行馬がまとめて上位を独占する年もあるが、前半のペースが流れれば、差し・追い込みが決まりやすいのが武蔵野Sの大きな特徴といえるだろう。
人気順では、1番人気馬が3着以内に入ったのは18年1着サンライズノヴァのみ。毎年7番人気以下の馬が1頭は3着以内に入っており、近5年中4年は3連単で15万円以上、なかでも17年は178万3490円、19年は235万3630円と大波乱となっている。
表2は出走馬の所属別成績。近5年の3着以内馬15頭はいずれも栗東所属の関西馬だった。出走数が多いのは確かだが、ここまで偏るのは驚異的だ。美浦所属の関東馬は17年4着ノンコノユメ以外すべて着外に敗れていた。今年も関西馬を中心に考えたい。
表3は前走距離別成績。1400m組が一昨年のワンダーリーデルら最多の3勝をあげており、複勝率25.0%。この組の3着以内馬7頭中5頭は6番人気以下の伏兵だった。
1600m組は昨年のサンライズノヴァの1勝のみで、複勝率が低い。2100m組は17年インカンテーションが勝利。2000m組は勝ち星こそないものの、連対率60%と非常に高い。なお、1200m組、1800m組、1900m組からは好走馬が出ていない。
表4は前走人気別成績。黄色で強調した前走3番人気以内の連対率が高い。前走1番人気だった馬は17年インカンテーションら3勝をあげ、連対率・複勝率31.6%と優秀だ。昨年は1着サンライズノヴァが該当しており、毎年連対している。
前走2番人気馬は16年タガノトネールら2勝。勝ち馬はすべて前走2番人気以内の馬から出ている。前走3番人気馬は複勝率40%で前走1番人気馬を上回っている。なお、前走10番人気以下からは好走馬が出ていない。
表5は前走馬体重別成績。前走500kg以上の馬が近4年続けて勝利しており、のべ【4.2.2.27】で複勝率22.9%。この中で前走1番人気に支持されていた馬は【3.2.0.2】で、連対率・複勝率71.4%と非常に高い。ただし、540kg以上だった馬は4頭いずれも着外に敗れている。
一方、前走馬体重480kg未満の馬からは勝ち馬が出ていない。前走540kgを境に、馬体重が減るにつれて複勝率も低下傾向にある。
最後に表6は前走から継続騎乗or乗り替わり別成績。前走から乗り替わりの馬が一昨年のワンダーリーデルら3勝をあげ、連対率・複勝率で継続騎乗の馬を上回っている。3着以内馬11頭中9頭は武蔵野Sで6番人気以下の伏兵だった。
逆に継続騎乗の馬は、18年、昨年とサンライズノヴァが2勝。3着以内馬4頭中3頭は前走オープン特別のグリーンチャンネルCを使われていた。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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