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JRA-VANコラム

前走脚質と継続騎乗がカギ! エリザベス女王杯を分析する

2021年11月11日 16:00配信
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2021/9/26 中山11R 産経賞オールカマー(G2) 1着 1番 ウインマリリン

今週日曜に阪神競馬場でエリザベス女王杯が行われる。牝馬の中距離頂上決戦で、昨年はラッキーライラックが連覇を達成。同馬が引退した今年、新女王に輝くのはどの馬か、注目が集まる。今回はエリザベス女王杯をピックアップし、昨年のレース結果ならびに過去10年の傾向、そして阪神芝2200mのコース傾向から今年狙えそうな馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 昨年のエリザベス女王杯の3着以内馬一覧

表1は今年と同じく阪神競馬場で行われた昨年のエリザベス女王杯の3着以内馬一覧。大外の8枠18番からのスタートとなったラッキーライラックが3コーナー過ぎから上がっていき、直線早めに先頭に立って押し切り勝ち。2着サラキア、3着ラヴズオンリーユーとディープインパクト産駒の2頭が追い込んで好走した。これら上位3頭はいずれもメンバー中3位以内の上がりの脚を使っていた。前半1000m通過59秒3と緩まなかったため、前に行った組は厳しく、中団・後方で脚を溜めた馬に有利に働いたのだろう。今年はどういった流れになるかに注目だ。

なお今年は、昨年の3着以内馬は出走しないが、4着ウインマリリン、6着ソフトフルート、12着リュヌルージュが登録している。

■表2 エリザベス女王杯過去10年の年齢別成績

表2は2011~19年の京都開催を含めた過去10年の年齢別成績。4歳馬が18年リスグラシューら過半数の6勝をあげ、勝率・複勝率トップ。昨年は3着ラヴズオンリーユーが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。

3歳馬は17年モズカッチャンら2勝をあげ、連対率では4歳馬を上回っている。3着以内馬8頭中5頭は前走秋華賞で3着以内に入っていた。5歳馬は昨年のラッキーライラックら2勝も、連対率・複勝率では3歳馬・4歳馬に差をつけられている。

なお、6歳以上となると、一昨年クロコスミアの2着1回のみと苦戦傾向にある。

■表3 エリザベス女王杯過去10年の前走人気別成績

表3はエリザベス女王杯過去10年の前走人気別成績。前走1番人気だった馬は昨年のラッキーライラックの1勝のみだが、複勝率43.5%と高い。複勝回収率でも唯一100%を超えている。

優勝馬は前走9番人気(12年レインボーダリア)まで広がっているが、前走10番人気以下の馬からは好走馬が出ていない。

■表4 エリザベス女王杯過去10年の継続騎乗or乗り替わり別成績

表4はエリザベス女王杯過去10年の、前走から継続騎乗か、乗り替わりかの成績比較。勝利数ではそれほど変わらないものの、継続騎乗の馬は2着3着数で大きく上回っており、複勝率でも大きな差をつけている。特に前走5着以内で継続騎乗の馬は【6.7.7.47】で16年クイーンズリングら過半数の6勝をあげ、複勝率29.9%と優秀だ。

■表5 阪神芝2200mで行われたG1の枠番別成績(2016年以降)

表5は2016年以降に阪神芝2200mで行われたG1(16~21年の宝塚記念、昨年のエリザベス女王杯)7レースの枠番別成績。大外の8枠に入った馬が昨年のエリザベス女王杯におけるラッキーライラックら5勝をあげている。阪神芝2200mは1コーナーまでの距離が長く、内の各馬を見ながらレースを進められるのも良いのだろう。

また、複勝率トップは2枠の36.4%で、1枠も27.3%と高い。これら内の1・2枠は複勝回収率も100%を超えており、注目しておきたい

■表6 阪神芝2200m戦の前走脚質別成績(2016年以降/2勝クラス以上)

最後に表6は阪神芝2200m戦を走った馬の前走脚質別成績。全30レースの中で前走逃げた馬が勝利したのは2レースと少ないが、連対率・複勝率は最も高い。前走先行した馬が最多の13レースで勝利し、勝率トップ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

前走差し・追い込み組も勝率では前走逃げ組を上回っているが、複勝率で差をつけられている。

■表7 今年のエリザベス女王杯の出走予定馬(11/10時点)

今年の出走予定馬は表7のとおり。

<結論>

上位人気が予想されるレイパパレ、テルツェット、ランブリングアレーは前走から乗り替わりとなっている。今回ルメール騎手が騎乗予定で1番人気も想定されるレイパパレはデビューから6連勝の後、近2走は宝塚記念3着、オールカマー4着と芝2200m戦で敗れている。先行脚質は合うものの、2200mは本質的に長いのではないだろうか。

これまでのデータからまず推奨したいのが前走オールカマーを勝利したウインマリリン。今年は日経賞も勝利しており、春の天皇賞も5着と強豪牡馬相手でも好勝負している。昨年は4着に敗れているが、先行勢で唯一上位に入っていた。前走オールカマーも直線で一旦狭くなり、立て直して伸びたもので着差以上に余裕があった。今年は勝ち負けになっておかしくない。

もう一頭は秋華賞を勝利した3歳馬アカイトリノムスメ。内回りの阪神芝は合っており、引き続き戸崎騎手が騎乗予定なのも心強い。13年メイショウマンボ以来となる秋華賞~エリザベス女王杯連勝が見られるかも知れない。

他ではコース傾向から、ハナに立ちそうなロザムールの逃げ粘りには注意しておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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