JRA-VANコラム
キャリア別成績と継続騎乗を重視! 阪神JFを分析する
今週は土曜に中京で中日新聞杯、日曜には中山でダートのカペラS、阪神で2歳女王を決めるG1・阪神JFと、各場で重賞が組まれている。今回は来春の桜花賞と同じ舞台で行われる阪神JFに注目し、過去10年のデータならびにBコース替わりとなった先週の阪神芝のレース傾向から今年馬券で狙えそうなタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は阪神JFの人気別成績。1番人気馬は昨年のソダシら最多の4勝をあげ、複勝率60%。2番人気馬は17年ラッキーライラックの1勝のみだが、連対率50%で1番人気馬に並んでいる。以下、3番人気馬は勝ち星がなく、5番人気馬が3勝、4番人気馬が2勝。勝ち馬はすべて上位5番人気以内から出ている。
対して、2・3着馬は下位人気まで幅広く分布している。ただし、11番人気以下は12年に15番人気クロフネサプライズの2着1回のみ。12年は5→15→10番人気の順で入り、3連単304万7070円の大波乱となった。しかし、2016年以降の近5年は上位6番人気以内の馬で決まっている。
表2は出走馬の所属別成績。出走数が多い栗東所属の関西馬が一昨年のレシステンシアら過半数の7勝をあげているが、連対率・複勝率では美浦所属の関東馬が上回っている。
関西馬は3着以内馬17頭中16頭が上位5番人気以内(例外は12年2着クロフネサプライズ)だったのに対し、関東馬は3着以内馬13頭中6頭が6番人気以下だった。関東馬は人気薄でも注意しておきたい。
表3はキャリア別成績。2戦の馬が16年ソウルスターリングら最多の5勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。出走数最多の3戦の馬は18年ダノンファンタジーら4勝をあげており、連対率・複勝率は2戦の馬に次いで高い。1戦の馬は11年ジョワドヴィーヴルが勝利。勝ち馬はすべて3戦以内の馬から出ている。キャリア4戦の馬は未勝利で、2着3回のみ。5戦以上からは3着以内馬が出ていない。
表4は前走着順別成績。勝ち馬はすべて前走で連対を果たしていた。
出走数の半数以上を占める前走1着馬が近5年を含めて大半の8勝をあげている。なかでも前走1番人気で勝利した馬は【4.4.3.22】で14年ショウナンアデラら4勝をあげ、複勝率33.3%と優秀だ。前走2着馬は15年メジャーエンブレムら2勝をあげ、複勝率は前走1着馬を上回っている。
表5はG3に格付けされた14年以降近7年のアルテミスS組の前走着順別成績。アルテミスS組は近7年で一昨年を除いて毎年好走馬が出ている。前走1着馬は昨年のソダシら2勝をあげ、複勝率57.1%。前走2着馬は15年メジャーエンブレムが勝利し、複勝率75.0%と前走1着馬を上回って高い。これら前走1・2着馬が高複勝率だが、前走5着からは15年2着ウインファビラス、前走9着から昨年3着ユーバーレーベンが出ている。
表6は阪神JFにおいて前走騎手が今回も継続騎乗か乗り替わりかの成績比較。出走数は約半々に分かれているが、前走から継続騎乗の馬が12年ローブティサージュら大半の8勝をあげている。キャリアが浅い2歳牝馬にとって、継続騎乗のメリットは大きいのだろう。昨年は1・2着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。
乗り替わりの馬は13年レッドリヴェールら2勝。近2年は一昨年マルターズディオサ、昨年のユーバーレーベンと6番人気の馬が1頭ずつ好走している。
表7はBコース替わりだった先週の阪神芝における脚質別成績。阪神芝コースは10月9日以来ずっと使われており、4回開催と5回開催はすべてAコースだった。先週(6回開催1週目)からBコースに替わったのだが、逃げ・先行馬が8勝と好成績をあげている。特に逃げ馬は連対率50%・複勝率60%と非常に高い。今週も同じ傾向が続くようだと、逃げ・先行馬を中心に狙った方が良さそうだ。
<結論>
※フルゲート18頭。アネゴハダ以下は抽選対象
※ルージュラテール、サウンドビバーチェは回避予定
今年の出走予定馬は表8のとおり。
1番人気が予想されるのはデビューから3連勝中のウォーターナビレラ。前走ファンタジーSは直線でナムラクレアとの追い比べを制して快勝している。完成度の高さを感じさせるが、前走ファンタジーS組は過去10年の複勝率が低い。すんなり先行できるようだと好走確率は高いが、多頭数で揉まれる展開になると崩れる可能性はある。
データ的に推奨したいのが前走アルテミスS組で連対したサークルオブライフとベルクレスタ。前走のアルテミスSは直線で先に抜け出したベルクレスタをゴール前でサークルオブライフが差し切った。好相性のアルテミスS組でともにキャリア3戦、前走から継続騎乗の予定だ。先行有利の馬場傾向ならベルクレスタの方を上に取る手もある。
他では好成績のキャリア2戦馬からナミュール。前走の赤松賞はアルテミスSのサークルオブライフよりも勝ち時計、上がり3ハロンともに速く、スケールは大きい。今回乗り替わりとなる予定だが、騎乗予定のC.デムーロ騎手は18年に乗り替わりで騎乗したダノンファンタジーで勝利をおさめている。
穴なら前走京王杯2歳S3着のラブリイユアアイズ。前走はスタートで後手を引いてしまい、中団から差す競馬となって3着。ただ、この馬は先行して持ち味を発揮するタイプだ。新馬戦では前半600m33秒9のハイペースで押し切り勝ち。1500mに距離延長した2戦目のクローバー賞も2馬身半差の完勝を決めている。今回すんなり先行できれば、残り目は十分に考えられる。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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