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JRA-VANコラム

連覇か牝馬の初制覇か!? フェブラリーSを占う!

2022年2月17日 16:00配信
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今週日曜日に東京競馬場でフェブラリーSが行われる。2022年、JRAで行われる最初のG1競走で、今年もダート1600mを舞台に、激しい戦いが繰り広げられそうだ。いつものように過去10年のデータを分析し、今年のレースを占っていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JV を利用した。

■表1 フェブラリーSの前走レース別成績(過去10年)

まず表1は過去10年のフェブラリーS(以下、同様)の前走レース別成績。根岸S組が最も多く、【4.2.3.51】の成績。ただ、勝率6.7%、連対率10.0%、複勝率15.0%と好走率はあまり高くない。2番目に出走数が多い東海S組は【3.1.1.15】の成績。好走率は全体的に根岸S組よりも高い。そして、前走チャンピオンズC組は【2.3.1.7】で勝率15.4%、連対率38.5%、複勝率46.2%と、好走率は東海S組よりも高い。また、前走チャンピオンズC組は複勝回収率が100%だった。基本的に前走はチャンピオンズCか東海Sか根岸S、いずれかに出走していることが望ましい。勝ち馬10頭中9頭がこの3組から出ているように、優勝馬が出やすい傾向だ。

■表2 前走チャンピオンズC組の全成績(過去10年)

表2は前走チャンピオンズC組の全成績。延べ13頭の出走があり、好走馬は6頭(ゴールドドリームは2回)。そのうち前走チャンピオンズCで連対していた馬は2頭で、ともにフェブラリーSでは1番人気に支持され、2着という結果だった。また、前走チャンピオンズCで2番人気に支持された馬が2頭いて、17年ゴールドドリームと21年カフェファラオがともにフェブラリーSで勝利を飾った。よって、前走チャンピオンズC組は前走で連対しているか、2番人気以内に支持されていれば有力、となる。

フェブラリーSの15年3着ベストウォーリアと、21年2着エアスピネルは、前走チャンピオンズCの着順・人気ともに目立たない数字だったが、前者は過去にマイルチャンピオンシップ南部杯(G1/Jpn1)で1着、後者は過去に芝のG1・マイルチャンピオンシップで2着の実績があった。

■表3 前走東海S組の前走着順別成績(過去10年)

続いて表3は前走東海S組の前走着順別成績。前走1着の成績が【3.0.1.3】で、勝率・連対率が42.9%、複勝率57.1%と好成績。単・複の回収率もともに100%を超えている。他にフェブラリーSで好走したのは、前走3着だった馬が1頭いるだけ。基本的に前走東海Sで2着以下に敗れた馬は厳しい

■表4 前走根岸S組の前走着順別成績(過去10年)

続いて表4は前走根岸S組の前走着順別成績。前走1着の成績が【3.1.1.3】で、勝率37.5%、連対率50.0%、複勝率62.5%とこちらも好走率はとても高い。単勝回収率は232%、複勝回収率も178%と優秀だ。前走2着の成績は【0.1.2.5】、同3着は【1.0.0.6】と好走馬は出ているが、前走1着に比べると好走率はかなり落ちる。前走4着以下だった馬の巻き返しはなかった。

■表5 前走チャンピオンズC・東海S・根岸S組以外の好走馬(過去10年)

最後に表5は前走チャンピオンズC・東海S・根岸S組以外の好走馬をまとめたもの。延べ10頭(ワンダーアキュートは2回好走)の好走があり、そのうち4頭が前走東京大賞典、3頭が前走川崎記念、1頭が前走ジャパンカップダート(現チャンピオンズC)だった。つまり8頭は前走ダートのG1/Jpn1競走に出走していた。また、そのうち5頭は前走で連対していた。

そして、フェブラリーSで好走した10頭中8頭は、前年秋以降にダート1600m以上のG1/Jpn1で連対か、武蔵野Sで1着の実績があった。13年2着エスポワールシチーは前走東京大賞典が5着、20年3着のサンライズノヴァは前走武蔵野Sで5着と敗れていたが、ともに前年のマイルチャンピオンシップ南部杯で優勝していたのだ。

こうした実績がなかったのにフェブラリーSで好走したのは14年1着コパノリッキーと、20年2着のケイティブレイブだけ。ともにシンガリの16番人気での激走だった。今、振り返ると両馬ともに実力があって好走したわけだが、こうした臨戦過程の馬が来るときは、とんでもない大穴馬券になる可能性が高そうだ。

【結論】

それでは今年のフェブラリーSを占っていく。出走予定馬は表6の通り。

■表6 今年のフェブラリーS出走予定馬

まず前走チャンピオンズC組からはインティ、エアスピネル、カフェファラオ、ソダシの4頭が出走を予定している。前走で連対していた馬はおらず、2番人気だったソダシに注目が集まるところ。前走は悔しい結果に終わったが、今回はリベンジを果たすべく、2度目のダートG1挑戦となる。ただ、同馬はまだダートの実績がなく、前走2番人気だった、という点をそのまま評価していいものか難しい。

フェブラリーSがG1に昇格(1997年)してからは、牝馬は本競走で勝利したことがない(ホクトベガが勝利した96年はG2)というデータも気になるところ。97年以降の牝馬の最高成績は、00年ゴールドティアラの2着だ。

昨年のフェブラリーS1着のカフェファラオと、同2着のエアスピネルが今年も揃って出走。前走チャンピオンズCでの成績は不満だが、同レース組はそもそも好走率が高い。また、インティも19年のフェブラリーS1着の実績があるので軽視はできないか。

あとは、前走根岸S1着のテイエムサウスダンと、前走東海S1着のスワーヴアラミスに注目。この両レースの勝ち馬は単・複の回収率が高く、毎年買い続けたほうが得、というデータが出ている。

前走チャンピオンズC・東海S・根岸S組以外では、前走マイルチャンピオンシップ南部杯で1着だったアルクトスや、昨年のJBCクラシックを制したミューチャリーが有力候補。ただ、ともに過去のフェブラリーSではいい成績が出ていない。

昨年秋以降にダートのG1/Jpn1を勝っているという意味では、レッドルゼルやテオレーマの名前が挙がる。昨年のJBCスプリントは1400m、JBCレディスクラシックは1500mとマイル以下の距離で行われたレースだが、レッドルゼルは昨年のフェブラリーSで4着に入っているし、テオレーマはマイル戦も十分こなせる。今年のフェブラリーSは図抜けた中心馬はおらず、かなり混戦なので、多くの馬にチャンスがありそうだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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