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JRA-VANコラム

まさに少数精鋭が揃った伝統のG2・毎日王冠を分析

2022年10月6日 16:00配信
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2021/4/4 阪神11R 大阪杯(G1) 1着 8番 レイパパレ (Photo by JRA)

今週末から東では東京、西では阪神の開催がスタートする。開幕週に組まれている重賞は毎日王冠と京都大賞典で、いずれも歴史あるG2としておなじみのレースだ。このうち、今回は東京芝1800mで行なわれる毎日王冠を分析。3週後の天皇賞・秋や6週後のマイルCSにもつながる一戦を、過去10年のデータをもとに展望する。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

表1は人気別成績。1番人気は過去10年で7勝と、かなりの好成績を収めている。ただ、勝てなかった3頭は6着、13着、8着と掲示板にも載れず。全面的に1番人気を信用するか、そうでなければ思い切った判断も求められそうだ。続く2番人気の好走は2着2回のみと不振ながら、3~5番人気は複勝率40~50%とコンスタントに馬券に絡んでいる。2番人気を除き、上位人気がしっかり好走するレースと考えていいのではないか。6番人気以下にも好走例があるが、合算して【1.3.4.68】、勝率1.3%、複勝率10.3%、単勝回収率17%、複勝回収率67%という成績にとどまり、人気薄の好走は散発的なものとなっている。

■表2 牡牝・年齢・所属別成績

表2は牡牝別、年齢別、所属別の成績を表したもの。

「牡牝別(セン馬は牡馬に含む)」では牝馬の好走率の高さが目を引く。出走例は少ないものの、使ってきた牝馬には注意を払う必要がある。「年齢別」では3歳が最多の4勝を挙げ、近3年は3連勝中。しかし、今年は3歳馬の登録がなかった。全体的な傾向としては、若い馬ほど勝率と複勝率が高く、連対率も5歳と6歳が逆転していること以外は同様の傾向が出ている。基本的には若い馬ほど有利とみていいだろう。「所属別」では関東馬と関西馬の好走率がほぼ同等。1着数と2着数がいずれも5回という点からも、東西で互角の成績と考えてよさそうだ。

■表3 前走クラス別成績

表3は前走クラス別成績。好走した延べ30頭のうち半数近い14頭は前走でG1を走っており、毎日王冠の主力を形成している。これと遜色のない好走率を残しているのが前走G2組だが、今年は該当する馬がいない。前走G3組は好走率が少し落ちるものの、好走例は10頭と多く、この組の取捨も重要になる。なお、前走G1組は表4、前走G3組は表5の項で改めてデータを確認する。

前走が重賞以外だった馬の出走例は少なく、14年3着のスピルバーグが唯一の好走馬となる。ただし、同馬は続く天皇賞・秋で並み居る強豪を抑えて勝利しており、このパターンで好走した場合の次走には注意したほうがいいかもしれない。

■表4 前走G1出走馬に関するデータ

表4は前走G1出走馬に関するデータ。前走でどのG1を走っていた馬が好成績かといえば日本ダービーなのだが、前述したように今年は3歳馬の登録がない。となると、今年は前走安田記念および宝塚記念に注目ということになりそうだ。

前走G1組では、そのG1でどのような人気に推されていたかもチェックしたい。毎日王冠1着馬が出ているのは前走のG1で1~5番人気だった馬に限られ、6番人気以下だった馬が勝った例はなし。また、前走10番人気以下になると好走率がかなり下がってしまうため、最低でも9番人気には収まっておきたい。

■表5 前走G3出走馬に関するデータ

表5は前走G3出走馬に関するデータ。好走馬を出しているのは、東京のエプソムCと、新潟の関屋記念、新潟記念、新潟大賞典に限られる。毎日王冠と同条件のエプソムCはもちろん、新潟の3レースも東京と同じ左回り、直線500m以上で、距離も1600mもしくは2000mと近い。共通性のあるコースを使っていたことがプラスに働くのかもしれない。

前走G3組の場合は前走着順に注目。1~3着だった馬はなかなかの成績を収めており、前述した4重賞(エプソムC、関屋記念、新潟記念、新潟大賞典)に限れば【2.2.4.8】、勝率12.5%、複勝率50.0%、単勝回収率51%、複勝回収率128%と有望だ。一方、前走10着以下から巻き返した例はなく、最低でもひとケタ着順には入っておきたい。

■表6 東京・新潟芝1600~2000m重賞の実績別成績

表6は、東京・新潟芝1600~2000mの重賞実績別の成績を表したもの。過去10年の勝ち馬10頭のうち、実に9頭はこの条件の1着実績を持っており、勝ち切るためには必須に近い。また、最高2、3着という馬も複勝率32.1%と優秀。毎日王冠で1着こそ出ていないが、好走候補として有力な存在となるだろう。一方、この条件に出走歴がありながら4着以下しかない馬や、そもそも未出走という馬の好走率は明らかに見劣り、複勝率はどちらも10%に満たない。このデータを見る限り、東京・新潟芝1600~2000mの重賞実績は、毎日王冠に直結するとみていいだろう。

【結論】

過去10年、毎日王冠はフルゲートの18頭立てになったことがなく、今年も登録馬は10頭にとどまった。とはいえ、そのうち8頭に重賞勝ちがあり、うち4頭はG1馬と、まさに少数精鋭の様相を呈している。

この登録馬10頭を前走クラスに分けて見ていこう。毎日王冠で好走が多い前走G1組に該当するのはキングオブコージ、サリオス、ポタジェ、レイパパレの4頭。表4の項で確認した通り、前走G1で毎日王冠1着があるのは前走1~5番人気馬に限られ、今年該当するのはヴィクトリアマイル1番人気のレイパパレしかいない。その前走では12着の大敗を喫したものの、スタート直後に落馬寸前となる大きな不利があり、度外視できるのではないか。出走してくれば有望な牝馬でもあり、昨年の大阪杯以来となる先頭ゴールの可能性は十分にあるのではないか。

前走安田記念のサリオスと前走宝塚記念のポタジェも2、3着候補には外せない。というより、サリオスは2年前の覇者であり、サウジアラビアRC1着、安田記念3着と、東京・新潟芝1600~2000m重賞の実績はナンバーワン。2、3着候補では収まらない存在だ。昨年の毎日王冠で3着に入ったポタジェもコース適性はなんら問題ない。

前走G3組は、ジャスティンカフェ、ノースブリッジは前走エプソムC、ダノンザキッドは前走関屋記念からの臨戦となり、3頭とも好感の持てる前走と言える。また、いずれも4歳馬という点もプラス材料となる。さらに、エプソムC1着のノースブリッジはもちろん、関屋記念3着のダノンザキッドは2歳時に同条件の東京スポーツ杯2歳Sを制しており、コース実績は十分。ジャスティンカフェはエプソムC4着が惜しいが、3着馬とタイム差なしなら無視はできないか。

残るキングストンボーイ、ハッピーアワー、レッドベルオーブの3頭は、オープン特別・リステッド競走からの臨戦。前走重賞以外の好走例に乏しい毎日王冠ではあるが、ここで3着以内に入るようであれば、14年のスピルバーグのように次走注目の1頭になるかもしれない。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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