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JRA-VANコラム

今年のエプソムCで注目したい4歳馬は?

2023年6月8日 16:00配信
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2023/3/11 阪神 10R 難波ステークス 1着 2番 マテンロウスカイ (Photo by JRA)

今週は日曜日に東京競馬場でエプソムCが行われる。昨年の当コラムでも本競走を取り上げたが、4歳馬が非常に強いという傾向が出ている。今年もまずはその点に注目してレースを展望していきたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 エプソムCの年齢別成績(過去10年)

表1はエプソムC(過去10年、以下同様)の年齢別成績。4歳が1着6回、2着5回、3着4回をマークし、勝率16.7%、連対率30.6%、複勝率41.7%と他の年齢を圧倒している。単・複の回収率も優秀だ。対照的に7歳以上は好走馬が1頭(3着)しかいない。年齢では4歳が強く、7歳以上が苦戦というハッキリとしたデータが出ている。

昨年の本競走を振り返ると、4歳馬は4頭出走していた。そのうちの1頭だった4番人気ノースブリッジが勝利したわけだが、1番人気に支持されたジャスティンカフェは4着に敗れた。この結果を受け止めて、今年の予想にも生かしていきたい。ノースブリッジは後にアメリカジョッキークラブカップを勝利し、ジャスティンカフェも同年の毎日王冠で2着と好走(ノースブリッジも出走して5着に敗れる)した。ともにG2クラスでも通用する申し分ない実力があったと言えるわけだが、昨年のエプソムCでは明暗を分けた。そのポイントは脚質だったかもしれない。

■表2 エプソムCの脚質別・上がり3ハロン順位別成績(過去10年)

表2はエプソムCの脚質別成績。逃げが複勝率50.0%、複勝回収率456%とかなり高い。また、先行は1着5回、2着4回で勝率13.2%、連対率23.7%、単勝回収率は147%。一方、中団は1着4回を含み好走馬14頭を出しているが、勝率・連対率・複勝率はいずれも先行よりも低かった。後方も2着が2回だけで全体的には平凡な成績だ。つまり逃げ~先行が狙い目のレースであると言える。

昨年の本競走に話を戻すと、先行して4コーナーを3番手で通過したノースブリッジが勝利し、最後方で追走して4コーナーをシンガリ(12番手)で通過したジャスティンカフェが4着に終わったというのも納得がいくところ。馬場状態は重でも天候は晴れで、見た目も道悪という雰囲気のレースではなかった。実際にジャスティンカフェの上がり3ハロンは33秒5と速い数字が出ていた。ジョッキーは4コーナーで内をついて、距離のロスをしないうまい乗り方をしていたが、結果的には後ろから行き過ぎたのがどうだったのか、というレースになってしまった。

表2で示した上がり3ハロン1位の成績は【3.3.0.8】。勝率21.4%、連対率・複勝率42.9%、単勝回収率112%、複勝回収率107%と非常に優秀だ。逃げ~先行が狙い目である一方、メンバー中最速の上がり3ハロンをマークした差し・追い込み馬も連対する確率が高いというデータも出ている。メンバー中で最も鋭い決め手を使いそうな馬はマークが必要だろう。

■表3 エプソムCの前走コース別成績(過去10年)

表3はエプソムCの前走コース別成績。前走東京芝1800m(主にメイS)組や新潟芝2000m(主に新潟大賞典)組の出走が多く、その分好走馬もたくさんいる。京都芝1800m組や東京芝2000m組からも複数の好走馬が出ており、コーナーが2・3回の芝1800~2000m組が有力だ。

好走率の高さでは前走中京芝2000m組に注目。勝ち馬こそ出ていないが、2着3回、3着1回で連対率50.0%、複勝率66.7%と非常に優秀だ。前走中日新聞杯組や金鯱賞組の巻き返しは十分注意したい。

それでは今年のエプソムCを展望していく。出走予定馬は表4の通り。

■表4 今年のエプソムC出走予定馬

まず注目の4歳馬はインダストリア、カワキタレブリー、ショウナンマグマ、マテンロウスカイ、ヤマニンサルバム、ルージュエヴァイユと6頭の登録があった。前走成績・決め手に注目するとメイSで逃げたマテンロウスカイ、新潟大賞典で先行したショウナンマグマが、今回も前目でポジションを取ってレースをする可能性が高そうだ。

ただ、ショウナンマグマの東京芝実績を見ると、未勝利1着はあるが、プリンシパルS11着、オクトーバーS13着とリステッドでは大敗している。一方、マテンロウスカイは前走メイSが2着。サクラトゥジュールには差されてしまったが、エピファニーやドーブネの追撃を振り切った。よって、初めての東京芝で結果を出したマテンロウスカイの先行力と粘りの方を高く評価してみたい。

前走ダービー卿チャレンジトロフィーを制したインダストリアは、斤量が56キロ→58キロと今回2キロ増となるのが大きな鍵。同レースで0.1秒差2着のジャスティンカフェは斤量58キロ→57キロと今回1キロ減になるので、インダストリアの方が条件的には不利になる。今回はジャスティンカフェが逆転できる可能性が高いとみる。

ヤマニンサルバムは3走目に白富士Sでサリエラ(次走目黒記念3着)、ドーブネ(次走中山記念3着)に次いで3着と好走。2走前は金鯱賞7着、前走は新潟大賞典7着と敗れているが、コース替わりで見直してみたい。

古馬勢では前述のジャスティンカフェにやはり注目。昨年のエプソムCは人気を裏切る形になってしまったが、末脚の破壊力はメンバー屈指。2走前の東京新聞杯も4着ながら上がり3ハロンは33秒3とメンバー中最速だった。同レースで上がり3ハロン2位だったエアロロノアも今回はマークしてみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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