JRA-VANコラム
好走傾向に偏りあり! オールカマー分析
秋競馬3週目となる今週は日曜に阪神で菊花賞トライアルの神戸新聞杯、中山で3歳以上G2のオールカマーと2鞍の重賞が組まれている。今回は中山芝2200mを舞台に行われるオールカマーをピックアップ、2015年以降近8年のデータからレース傾向ならびに馬券のポイントを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まずは枠番別成績。複勝率トップは最内の1枠で60.0%と抜けて高い。1着は一昨年のウインマリリンのみだが、2着が昨年のロバートソンキーら5回と多い。これら1枠の中では4・5歳馬の活躍が目立つ。今年も該当馬がいれば、積極的に狙っていきたい。
複勝率では2~5枠が20%台で、6枠から外は15%未満。先週同コースで行われたセントライト記念では1番人気2着ソールオリエンス以外、1~4枠の馬が1頭ずつ5着以内に入ったように今年も内枠有利の状況といえそうだ。
年齢別成績は、4歳馬が連対率42.1%・複勝率52.6%と他の年代を圧倒している。なかでも4歳牝馬は連対率・複勝率75.0%と優秀なのだが、今年は登録馬がいない。牡馬・セン馬でも複勝率は36.4%と高く、注目しておきたい。
5歳馬も4歳馬と同じく4勝。勝ち馬はすべて4・5歳馬から出ている。5歳牝馬は20年センテリュオら2勝しており、複勝率も37.5%と高い。6歳馬は複勝率13.0%と4・5歳馬に離されており、7歳以上の連対はなかった。
前走クラス別成績は前走G1組が過半数の5勝をあげ、連対率30.8%・複勝率34.6%と高い。これら前走G1組では、宝塚記念組が19年スティッフェリオら2勝をあげ、複勝率41.7%と優秀だ。宝塚記念組の3着以内馬5頭はいずれも前走宝塚記念で1ケタ着順だった。
前走G1組以外では前走G3組が昨年のジェラルディーナら2勝も、複勝率は低い。前走G2組は勝ち星こそないものの、複勝率25.0%で注目しておきたい。
前走からの間隔別成績は、中9~24週の馬が大半の7勝をあげており、複勝率28.6%。この中で前走国内G1組が一昨年のウインマリリンら5勝をあげ、連対率33.3%・複勝率37.5%と優秀だ。前走G2組も複勝率33.3%と高く、チェックが必要だ。
他では中4~8週の馬が複勝率25.0%、半年以上の馬は同23.1%。なお、中3週以内の馬は15頭すべて馬券圏外に敗れていた。
【結論】
今年のオールカマーの大きな見どころはタイトルホルダーの復帰ということになるが、好走できるかどうかはわからないというのが正直なところ。大敗後でも一変がある馬だけに勝つ可能性はあるが、4歳以降の戦歴は1着か着外かのタイプだけに馬券圏外に沈む場面も想定される。
データから推奨したいのはジェラルディーナとガイアフォースの2頭。ジェラルディーナは5歳牝馬(表2)、前走G1の宝塚記念組(表3)、中12週(表4)と好走傾向に合致しており、実際に昨年のオールカマーで勝利している。前走の宝塚記念は仕掛けがやや早く、4着に敗れたが、ベストの2200mで連覇の可能性も十分にある。
ガイアフォースも4歳牡馬(表2)、前走G1の安田記念組(表3)、中15週(表4)と好走傾向に合っている。昨秋のセントライト記念では後の菊花賞馬アスクビクターモアを破り、今回出走するローシャムパークに3馬身差をつけている。前走安田記念では僅差の4着と健闘しており、折り合いがつけば勝ち切る力はある。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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