JRA-VANコラム
【新潟記念×過去データ分析】8枠と左回り重賞実績に注目!
今週は日曜日に新潟記念が行われるが、台風が接近しているため、本稿執筆時点では今週末の開催がどうなるかわからない状況だ。仮に開催できても道悪競馬は避けられないかもしれない。それでも一応、いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析した。
過去10年の新潟記念の枠番別成績を調べたところ、3枠と8枠の成績が優秀だった。脚質で見ると3枠は逃げ・先行、8枠は中団・後方から好走馬がよく出ている印象。夏の新潟開催最終日に行われる一戦なので、外からの差し・追い込みが決まりやすい馬場になりやすく、おのずと8枠は恵まれる。加えて道悪になれば、一層外枠が有利になっても不思議ではない。
続いて年齢別の成績を調べたところ、出走頭数は二けたに満たなかったものの3歳は勝率・連対率22.2%、複勝率33.3%と最も優秀だった。4歳と5歳の比較では、勝率・連対率はあまり差がなかった。6歳と7歳以上の比較も連対率や複勝率は互角だった。3歳が強い一方、ベテランの馬も割と活躍している印象だ。
表3は過去に左回りの芝重賞(2歳戦は除く)で好走・善戦実績があった馬をまとめた。まず、18年1着ブラストワンピースと23年ノッキングポイントは同年の日本ダービーで5着だった。16年3着ロンギングダンサーは前年の新潟記念で4着に善戦。また、ジナンボーやユーキャンスマイルは本競走で複数回好走したリピーターだった。同じ新潟芝2000mで行われる新潟大賞典も本競走とのつながりが強く、パッションダンスやトーセンスーリヤは両重賞で連対した。
それから14年1着マーティンボロや15年2着マイネルミラノは同年の中日新聞杯で好走。22年1着カラテは前年の東京新聞杯を勝っていた。このように、新潟記念好走馬30頭中18頭は、過去に左回りの芝重賞(2歳戦は除く)で好走・善戦した経験があった。
【結論】
ライトバックの取捨選択が鍵
今年の新潟記念の予想で鍵になるのは、3歳牝馬ライトバックの取捨選択だろう。本競走は3歳の成績は優秀だが、実は牝馬の成績は良くない。21年3着クラヴェルしか好走しておらず、23年は1番人気サリエラが7着に敗れた。こうした点を考慮すると、ライトバックは「狙い目」「危険な人気馬」どちらにもなりうる存在だろう。
ライトバックは重賞未勝利だが、桜花賞・オークス両方で3着に好走しており、過去の新潟記念で好走した3歳馬(ブラストワンピースやノッキングポイント)と遜色ない実績を持っていると判断しても良さそう。ちなみに3歳馬のうち前走5着以内だった場合は【2.0.1.3】という成績だ。また、17年に10番人気で4着と善戦したウインカナドルは前走ラジオNIKKEI賞2着だった。3歳馬は前走5着以内かどうかが、取捨の目安となりそう。
新潟大賞典2着のキングズパレス
前走芝2000mの重賞で連対しているレッドラディエンス(七夕賞1着)、キングズパレス(七夕賞2着)、アリスヴェリテ(マーメイドS1着)、エーデルブルーメ(マーメイドS2着)も有力視されそう。この中では今年の新潟大賞典でヤマニンサルバムとハナ差の2着と好走したキングズパレスを推奨したい。あと道悪になった際は、重馬場成績【2.0.0.0】のゴールドプリンセスをマークする。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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