JRA-VANコラム
【ホープフルS×過去データ分析】前走芝1800mと2000mの違いに注目
有馬記念が終わっても中央競馬は続く。今週土曜には2歳G1・ホープフルSが組まれている。先週、昨年の勝ち馬レガレイラが有馬記念を制したのはご存知のとおり。来年に向けて注目すべき一戦を、G1昇格後の過去7年のデータから展望したい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
前走距離は芝1800mと芝2000mが主流。前走芝1800mは出走34頭で6勝を挙げ、勝率で大きくリードする。前走芝2000mは出走61頭で1勝にとどまるが、2、3着は各4回と馬券には絡んでくる。ほかに前走芝1600mや前走ダートにも好走例はあるが、今年の登録19頭には該当する馬がいない。
前項で前走芝1800mが過去7年で6勝と述べた。この6勝の内訳を前走レース別成績(オープンクラスのみ。格付けは現在のもの)で確認すると、東京スポーツ杯2歳Sが3勝、萩Sが2勝、アイビーSが1勝となっている。そして、前走芝2000mの1勝は京都2歳Sから出ている。複数のホープフル1~3着馬を出しているこの4レースが主要ステップと考えていいだろう。
前走が芝1800m(オープンクラス)の馬に関しては、データをふたつチェックしたい。ひとつは前走の4角通過順。表3のとおり、4角を2番手や3~4番手で回っていた馬の好走率が高い。もうひとつは前走の上がり順。上がり1位だった馬の好走率が高く、上がり2位も2勝を挙げている。対して、上がり3位以下だった馬では22年1着のドゥラエレーデが唯一の好走例。同馬は前走の東スポ杯が4角2番手で、4角通過順のデータは満たしていた。
前走が芝2000m(オープンクラス)で、ホープフルSで1~3着に入った馬は4頭いる。そしてこの4頭には、前走で連対し、前々走が芝1800mで1着という興味深い共通点がある。主要ステップのひとつである京都2歳S組の好走馬3頭もすべて合致しており、前々走の距離と着順は要チェックと言える。
前走が1勝クラスおよび新馬戦で、ホープフルSで1~3着に入った馬は5頭いる。この5頭が前走1着であることはもちろん、前走の距離はいずれも芝2000mだった。さらに、5頭とも前走の4角通過順が2~4番手と先行していたことも押さえておきたい。なお、前走未勝利戦は【0.0.0.16】と好走例がない。
【結論】
クロワデュノール、マスカレードボール、ピコチャンブラックの3頭
まずは、G1昇格後の過去7年で6勝の前走芝1800m(オープンクラス)出走馬から。この組は「前走4角2~4番手」および「前走上がり1~2位」に合致すると有望で、今年の登録馬で両方を満たすのはクロワデュノール、マスカレードボール、ピコチャンブラックの3頭。マジックサンズは前走札幌2歳Sの上がり3位が惜しいが、4角通過は2番手でこちらは満たしている。
次に前走芝2000m(オープンクラス)出走馬は、「前走で連対」「前々走で芝1800m1着」が好走馬の共通点だった。今年の登録馬にこの条件を満たす馬はいないが、京都2歳S2着のジョバンニは3走前の新馬戦が芝1800m1着で、準じる馬として名前を挙げておきたい。
最後に、前走1勝クラスおよび新馬戦の場合、芝2000mで4角通過が2~4番手だったことが好走馬の共通点。この条件に該当するのは、百日草特別で4角3番手から1着のショウナンマクベスである。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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