JRA-VANコラム
【中山金杯 × 過去データ分析】前走3勝クラス組が即通用!

昨年の中央競馬は1月6日に開幕したが、今年は通常通りの5日にスタート。中山競馬場で中山金杯、中京競馬場で京都金杯の2重賞が組まれている。京都金杯は中京競馬場での代替開催のため、今回は過去10年すべて中山で行われている中山金杯を取り上げたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年の人気別では、1番人気が【4.1.2.3】で複勝率70.0%をマーク。2~7番人気は同30.0%前後、8~11番人気は同10.0~20.0%で、12番人気以下の好走はない。優勝馬は5番人気以内、2着馬は8番人気以内、そして3着馬は11番人気以内と、人気順が下位になればなるほど上位進出は難しいという傾向がはっきり出ている。

前走クラス別では、3勝クラス組が勝率、連対率、複勝率いずれもトップ。該当馬が少ないことが難点だが、注目は欠かせない。その他はオープン特別でも重賞でも大差ない印象だ。

好走確率が高かった前走3勝クラス組は表3の5頭が好走している。そのすべてに共通するのは、前走で芝2000m戦を勝ち上がっていたことだ。前走クラスを問わない集計でも前走芝2000m戦出走馬は【7.6.6.62】と多くの馬が好走しているが、特に3勝クラスの芝2000m戦を勝ってきた馬は【2.1.2.3】複勝率62.5%と非常に安定している。

表4は前走3勝クラス組を除いた(OP・JRA重賞・地方)前走着順別成績と、前走からのレース間隔別の成績である。この組は前走5着以内と6着以下で好走確率に大差がついており、まず前走5着以内馬に注目。また、前走から中1週以下の馬や中9週以上の馬はそれぞれ3着1回が最高のため、狙いは中2~8週の馬になる。

前走6着以下の馬は好走確率こそ低いが、表4にあったように7頭が好走しているため完全には無視できない。そこでその7頭について見てみると、前走がG1だった馬が5頭、チャレンジCだった馬が2頭という内訳だった。わかりやすいのはチャレンジC組で、テリトーリアルとリカンカブールはどちらも2走前に勝利を挙げていた。一方のG1組5頭は前年に重賞で3着以内の実績があり、うち3頭は重賞を制していた。また、5頭すべて中山や福島という直線の短いコースの重賞で好走していたことも共通点として挙げられる。
【結論】
前走3勝クラス芝2000m1着のショウナンアデイブに注目!
今年の中山金杯は前走天皇賞(秋)で3着のホウオウビスケッツや、秋華賞5着のクリスマスパレードが人気になりそうだ。どちらも「前走5着以内」をクリアしていることや(表4)、優勝馬が上位人気から出ていること(表1)を考えると有力には違いないが、レース間隔が開いている点は気にかかる(表4)。他馬にもつけ入る隙はあると考えたい。
穴っぽいところで面白いのはショウナンアデイブだ。前走は3勝クラスの芝2000m戦・修学院Sで1着。これは表3本文でも触れたように好走確率が高いパターンで、一発の期待をかけられる。ただし上位人気どころか中位人気に入るかも微妙なため、連単系の1着候補ではなく3連複やワイドあたりで狙いたい(表1)。
その他では、エリザベス女王杯4着から中7週のシンリョクカ、前走マイルCS11着から中6週で、昨年の中京記念(小倉芝1800mで代替)を勝っているアルナシームあたりが有力。また本稿執筆時点では抽選対象だが、出走できればマイネルモーント(前走チャレンジC6着、2走前1着)も候補に加えたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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