JRA-VANコラム
【スプリングS×過去データ分析】前走1勝クラス組が狙い目

今週日曜日に中山競馬場でスプリングSが行われる。近年は京成杯や共同通信杯までに賞金を獲得して皐月賞へ向かうケースが多く、トライアルに強い馬が集まりづらくなっている。ただ、23年はベラジオオペラ、24年はシックスペンスがスプリングSを勝利。素質馬が結果を残しており、将来を見据えた注目の一戦であることに変わりはない。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年のデータを分析した。

過去10年の前走クラス別成績を調べたところ、1勝クラスが【7.6.3.34】で好走馬16頭を出し、勝率14.0%、連対率26.0%、複勝率32.0%だった。この好走率はJRA重賞【3.4.4.39】よりも高く、単勝回収値も157と優秀だった。新馬【0.0.0.4】と未勝利【0.0.1.13】は不振だが、スプリングS当日に人気なったケースが少ないことも影響していそう。21年は1番人気に支持されたボーデン(前走未勝利戦1着)が3着に入っている。

1勝クラス組の前走着順別成績を調べたところ、前走1着が【6.4.2.18】で勝率20.0%、連対率33.3%、複勝率40.0%と優秀だった。当然とはいえ、前走1勝クラスをしっかりと勝っている馬が狙い目だ。特定のレースを勝っている馬が強いという傾向もなく、距離1600~2000mであれば特別戦、平場戦どちらでも良い。さらにスプリングS当日5番人気以内だった場合は、【5.4.1.8】で勝率27.8%、連対率50.0%、複勝率55.6%と成績がアップする。
また、前走4着からスプリングSで連対した20年1着ガロアクリークと21年2着アサマノイタズラは、ともに前走が水仙賞で、なおかつ上がり3ハロンが3位以内だった。今年は前走水仙賞4着馬の出走はないが、覚えておきたいポイントだ。そして前走5着以下の好走例はなく、巻き返すのは厳しいとみたほうがいいだろう。

JRA重賞組の前走着順別成績を調べたところ、前走1着【0.1.1.4】の勝率・連対率は良くなかったが、前走2~3着の成績は良かった。前走4着【0.2.1.5】も複勝率は37.5%だった。主に共同通信杯組、朝日杯フューチュリティS組、ホープフルS組が有力だ。京成杯【0.1.0.13】は好走率が低かった。そして前走5着以下の成績は【0.0.1.20】で明らかに不振。22年サトノヘリオス(前走ホープフルS3番人気13着)だけが3着(6番人気)と好走している。
【結論】
マテンロウバローズとピコチャンブラック
まず前走1勝クラス組で注目したい馬はマテンロウバローズ。2月1日にデビューしたばかりだが、新馬→こぶし賞と芝1600mのレースを連勝中だ。また、レーヴブリリアントは前走中山芝1600mを勝利。今回連闘にはなるが、もし出走してくるようであれば気になる馬だ。
前走JRA重賞組で有力なのはピコチャンブラック。前走ホープフルSで13着と惨敗したのはマイナス材料だが、3番人気に支持された点に注目。巻き返してくる可能性が十分あるとみたい。
スプリングSでは新馬を勝ったばかりの1戦1勝馬は狙いづらいが、キングスコールは人気を集めそうで、なおかつ有力かもしれない。札幌芝1800mを2歳コースレコードで勝利し、テリオスララ(その後、阪神ジュベナイルフィリーズ3着)を3馬身差で下したレース内容は強烈だったので、注目すべきだろう。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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