PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
自分の立場を客観視する。心の負けん気を消さない。その延長で、磨き続けた予測力と公式で「178センチ92キロ」の身体を特に防御で活かす。この秋、日本代表のインサイドセンターとして初めてのワールドカップに挑む28歳の中村亮土は、慎重に言葉を選ぶ。
「代表に入っていない立場からスタートしたので、ここまで来られたという思いもあるし、国を背負って立つ責任感も非常に感じています」
鹿児島実業高校を経て入った帝京大学では筋力強化へ自主的に取り組み、周りへも心で「(試合に)出たかったらやれよ、というのはありますよね」。1年目から定位置争いに絡み、3年生となった2012年には初めて日本代表入りした。
2015年には、ワールドカップのイングランド大会があった。その時の中村は、国内のサントリーで活動。所属先のレギュラー争いに苦しみ、代表のセレクションからも遠ざかっていた。この頃は、似たポジションで活躍していた立川理道や田村優らに「プレッシャーのなかでいい選択、いいキャッチとパスができる」と脱帽しながらも「試合に出たら、やれるのに、と思っていた」とも吐露。切磋琢磨していた仲間たちが南アフリカ代表を倒すのを、日本のスポーツバーで観た。そして中村は意識を、変えた。
「それまでは、まだかすかに『自分もここに立てるのに』という思いで応援していたんですけど、南アフリカ代表に勝った試合を観て、その試合に出ているメンバーを本当に誇りに思えたし、このままじゃだめだなと自分にフォーカスしたというか……」
サントリーでは毎年、激しい定位置争いにさらされ、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ率いるいまの日本代表でも初めは選外だった。それでも常に、「自分にフォーカス」と誓った。地道な積み重ねが大輪の花を咲かせる感覚なら、大学時代に身に付けていた。
転機は、2017年秋にあった。日本代表の遠征で控え組にいた中村は、フランス代表戦前のトレーニングで主力組へタフに衝突。分析内容に基づき助言も送り続けた。試合は23―23でドロー。「意志を持って生活できた」という実感を得た頃には、首脳陣からの視線が変わったようにも感じた。中村はやがて、現体制下のリーダー陣に昇格してゆく。
「1パーセントにもならない働きかけをすることで、チーム全体がよくなっていくというか。誰がどう評価するかじゃなく、自分に意志があるかどうかの話で」
睡眠や栄養摂取を見直したこともあってか「最近は(調子の)波がなくなってきた」という。
「それが僕の人間性というか…。ラグビーは人間性が出るスポーツなので、そこを活かしたいとも思っています」
その場、その場におけるあるべき自分を突き詰めた結果、自国開催のワールドカップへの挑戦権を得た中村は「基本的に、負けず嫌いなので」とつぶやく。
(文=向 風見也)
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