PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
医学部進学を目指す日本の超特急
福岡 堅樹

日本代表のエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチには「チーターよりも速い」と評された。相手防御とタッチラインの間に2〜3メートルでもスペースがあれば、いったん減速してからギアを入れトップスピードでトライラインまで駆け抜けられる。
福岡堅樹は、ラグビー日本代表のフィニッシャーとして大切に日々を過ごす。
「日本代表のジャージィを着られるのもあと何回かしかない。1回、1回を大事にしたいです」
5歳の時に玄海ジュニアラグビークラブで楕円球と出会い、福岡高校3年時は全国高校ラグビー大会で持ち前の韋駄天ぶりを披露。卒業後は開業医だった祖父と、高校時代のけがの治療に携わった整形外科医の影響で医学部進学を希望した。しかし、1年間の浪人生活と熟慮の末、2012年に筑波大学の情報学群へ入学。医師免許取得の夢は先送りにし、国内トップのラグビーシーンに身を置くことを選択した。競技生活が急展開を迎えたのは、翌2013年の春のことだ。
若手主体のジュニア・ジャパンに選ばれたかと思えば、間もなく日本代表に初選出される。抜擢したのはジョーンズ前ヘッドコーチ。2015年のワールドカップイングランド大会を見据えて「いまベストな人とこれからベストになる人」をバランスよく選ぶなか、「ワールドクラスのスピード」に白羽の矢を立てた。
同年は6月にウェールズ代表から初白星をもぎ取り、11月にはスコットランド代表を相手に鋭い走りをアピールした福岡。この時期のニュージーランド代表戦ではトライラインの手前で落球するなど厳しいレッスンを課されたが、成功と失敗の両方を肥やしにしてきた。
イングランド大会ではわずか1試合の出場に終わるも、フィジカルも鍛えて国内トップ級のウイングになったことでジェイミー・ジョセフ現ヘッドコーチのもとでは不動のレギュラーとして活躍。国際リーグのスーパーラグビーでも、日本代表の兄弟チームであるサンウルブズの一員として駆け回った。トライを取るだけでなく、タックル、ボール奪取、キックチェイスと下働きにも精を出すとあって、いまでは赤と白の背番号11が最も似合う選手となった。
「1秒、1秒をかみしめてプレーしたいです」とは、大会直前期の弁。現在は日本のパナソニックでもプロ契約を交わすが、15人制でプレーするのは今回のワールドカップがラストとなる。代表入りを狙う2020年のオリンピック東京大会での7人制を最後に、現役生活とも別れを告げる。改めて、医学部進学を目指すためだ。
ラグビーファンが福岡のチーターのごとき走りを体感できるのは、あとわずか。効率性と勤勉さの両方を重んじる福岡の動きを、まばたきせずに見届けたい。
(文=向 風見也)
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