PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
不動の左プロップ「理論派ハードワーカー」
稲垣 啓太

身長186センチ、体重116キロの29歳。ワールドカップイヤーにバラエティ番組の出演が増えた日本代表選手にあって、抜群の存在感を示している。変化の少ない強面の顔つきを有名な司会者にフォーカスされ、その様子に笑い声が乗ってオンエアされている。
しかし熱心なファンは、その姿を「世を忍ぶ仮の姿」と捉える。勤勉で力強く、何より賢いのが、稲垣啓太というラグビー選手なのだ。
新潟工業高校に入って野球少年からラグビー選手へ転身し、関東学院大学ではその聡明さから主将を務めた。同大学を監督として1997年から10年連続で大学選手権の決勝へ導いた名将・春口廣は、スクラム最前列のプロップを務める稲垣に、足首を柔らかくするよう説いたという。低くて強いスクラムを組むためには、膝を地面に近づけるほど腰を落とすのがマストだからだ。
春口は稲垣に、もうひとつの訓練を施した。「話し方」だ。自身が頼まれた講演会へ稲垣を連れて行っては、「おい、話してこい。練習だ」と背中を押した。周りに思いを伝えるための情報整理術が育まれた稲垣は、パナソニック入りした2013年には屈指の知性派として知られるようになった。
食生活の見直しで体脂肪率をどんどん減らしながら、当時チームにいたアシュリー・ジョーンズストレングス&フィットネスコーチのもと、倒れた後の身体の使い方を磨いた。「物事を順序立てて話すようになると、練習も順序立ててできるようになる」とは、当時の稲垣の言葉だ。
引退間際だった元日本代表プロップの相馬朋和からはスクラムの奥深さを、海外でプレーしていた先輩の堀江翔太や田中史朗からは世界で戦う意識も吸収した稲垣は、国内トップリーグの新人賞を獲得した。その後も順調に成長し、2014年には日本代表入り。翌年にはワールドカップイングランド大会で歴史的3勝を経験した。ワールドカップの直前期には、オーストラリアのレベルズに加わり国際リーグのスーパーラグビーへも挑戦できた。
「僕が初めてワールドカップに出た時、ワールドカップ経験者の話はすごく助けになった。準備段階では、自分の経験談を未経験者に少し伝えられたら。自分のパフォーマンス、マインドセット、やるべきことへの理解という、自分でコントロールできる部分は完璧にコントロールしたいです」
こう話していたのは、すっかり代表のリーダー陣に定着した2018年秋のこと。相手防御の壁に亀裂を入れる突進、鋭いタックルを放ってすぐに起き上がる勤勉さ、攻防のシステムを整えるためのコミュニケーション。現代ラグビー界で持っておきたい資質を備える日本代表不動の左プロップが、開幕に向けて淡々と牙を研ぐ。
(文=向 風見也)
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