PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
日本代表で重用されるよりも前に、ラグビー強豪国のトップレベルのクラブにスカウトされた 。
この春に東海大を卒業したばかりのアタアタ・モエアキオラは、ニュージーランドのチーフスの一員として国際リーグのスーパーラグビーで持ち前の突破力を披露。その甲斐あって、今年から日本代表のラインナップに名を連ねた。タッチライン際のウイングをメインポジションとし、9月20日からのワールドカップ日本大会を見据える。
身長185センチ、体重114キロの23歳。母国トンガで12歳の頃にラグビーと出会い、高校入学前に来日。目黒学院中学校に編入し、目黒学院高校2年時には全国高校ラグビー大会で存在をアピールした。東海大学へ入る頃には日常会話レベルの日本語をマスター。学生ラストイヤーは主将も任された。すべきことを、端的に仲間へ伝えるリーダーだった。
日本代表との縁ができたのは、東海大学2年だった2016年春のこと。中竹竜二ヘッドコーチ代行のもと、アジアラグビーチャンピオンシップを戦う若手主体の日本代表に加わった。里大輔スピードコーチの指導により、トップスピードのまま防御をかわすステップも体得。同年に20歳以下日本代表として出場したU20チャンピオンシップでも印象的なトライを決めた。
チーフスに誘われたのは、東海大時代の働きや年代別代表などでの活躍が考慮されてのもの。「日本の大学ラグビーでプレーする選手」というレッテルさえ張らなければ、もっと早くから代表に招かれてもおかしくなかったとも言える。
2019年9月6日、熊谷ラグビー場。ジェイミー・ジョセフ現ヘッドコーチ率いる日本代表に入り、初めての代表戦に挑んだ。ワールドカップ前最後に組まれた、強豪の南アフリカ代表とのゲームで前半4分に投入される。自在にシステムを変える相手防御に手を焼きミスを重ねたが、「そういうことにも対応できるように、ポジショニング、深さ(を変えていく)」と反省。来るべき時に力を発揮できるよう、急ピッチで準備を重ねる。
(文=向 風見也)
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