PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
北出卓也は、日本代表としての試合を経験する前にラグビーワールドカップ日本大会の登録メンバーとなった。8月に網走でおこなわれた最終選考合宿で、同じサントリーの堀越康介との代表メンバー争いに勝った。ポジションはフッカー。8対8で組み合うスクラムでは最前列中央のかじ取り役で、空中戦のラインアウトではタッチライン際からのボールの投入役だ。
網走でのキャンプを前におこなわれたパシフィック・ネーションズカップという国際大会では、北出ではなく堀越がメンバー入り。ところが最後の最後になり、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはこのように決断した。
「堀越のことはコーチ陣も気に入っていて、リスペクトに値する。しかし、フッカーとしてのスキルが他者と比べて劣っていました。特にラインアウトのスキルです。スローイングというと北出の方が上という結論になりました」
東海大仰星高校を経て入学した東海大学では、生真面目な練習態度で評判だった。4年間指導した木村季由監督には、こう見られていた。
「あいつのスローイングで負けた試合も、ありますよ。でも練習しますから、彼は。まだやるの?っていうくらい」
仕事をしながらプレーする現所属先のサントリーでは、ルーキーイヤーの2015年からレギュラーに定着。沢木敬介氏が監督となった自身2季目は一気に出番を失ったが、危機感を持って臨んだ2017年度の終盤に主力格へ返り咲いた。2018年入社の堀越は、チーム内でフッカーから左プロップに転向した。沢木氏は「将来1番(左プロップ)でジャパンになれる。1番でのスクラムが強い」と考えており、北出を含めた当時のフッカー勢の専門スキルを評価してもいた。
サントリーは、国内学生シーンの実力者が鍛え合う強豪チーム。北出は勤勉な気質をそのままに生き残りに燃えた。スローイングやスクラムワークのみならず、サイズを活かした突進、接点での相手ボールへの絡みでも際立った。
「常に自分が出ることを目標に置いていますが、競い合って、切磋琢磨して、自分の持ち味で勝負していければ」
その延長にあったのが、ワールドカップイヤーの日本代表候補入りだった。当初は候補群の第2集団にあたる「ナショナルデベロップメントスコッド」の一員だった北出は、主力組が対外試合をおこなうウルフパックに入っても海外遠征メンバーへ加われなかった。
「具体的な説明(メンバー外となった理由)はされていないです」と戸惑ってもおかしくない状況にあって、「逆に、悪いから呼ばないと言われたわけではない。いつ呼ばれてもいいよう、しっかりトレーニングをしていました」と腐らず、ぶれずに自分にベクトルを向けてきた。
9月6日、埼玉・熊谷ラグビー場。ワールドカップ前最後の代表戦となる南アフリカ代表戦で、北出は日本代表デビューを飾った。本番に突入後も、変わらぬ努力でその時を待つ。
(文=向 風見也)
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