PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
スポーツライティングでよく描かれる「中年の星」。ラグビーワールドカップ日本大会の日本代表でその称号を得るとしたら、この男の他にはいないだろう。空中戦と肉弾戦で踏ん張るロックを務め、身長196センチ、体重110キロの身体をかがめて激しいタックルを連発。献身ぶりを周りに讃えられれば「それ、私の仕事ね」と笑うだけだが、その顔にはたいてい新しい傷やあざができている。
元木由記雄、松田努の最多記録に並ぶ4大会連続でのワールドカップ出場を目指す38歳のトンプソン ルークは、意気込みも関西弁で語る。「調子、いいです。もう、おじいちゃんだけどね」ニュージーランドのカンタベリー出身。この国の多くの男子と同じように、オールブラックス入りを目指した。ところが州代表まで上りつめた先では、オールブラックスで台頭するブラッド・ソーン、ルーベン・ソーンらの陰に隠れた。国際的選手としての道を切り開いたのは、2004年に訪れた日本でのことだ。
国内2つ目のプレー先となる近鉄にいた2007年、「国内居住3年以上」「他国代表歴なし」という条件を満たして日本代表に初選出された。4年に1度あるワールドカップへは同年のフランス大会を皮切りに2011年のニュージーランド大会、2015年のイングランド大会に参戦。
イングランド大会では、過去優勝2回の南アフリカ代表へ「セットピース、タックル、ブレイクダウン(接点)が私の仕事。相手は、関係ない」と果敢にクラッシュ。34―32で歴史的勝利を挙げ、試合後のミックスゾーンではこうつぶやいた。「…信じられへんね」
2010年に日本国籍を取っていた「トモさん」は、イングランド大会後も東大阪市のヒーローとして近鉄で活躍する。一時は代表引退も、2017年6月には故障者の穴埋めのため期間限定復帰を果たす。さらに2018年6月には、日本代表対イタリア代表戦を熱心に見ていたところを妻のメリッサさんに「本当は戻りたいんじゃないの」と諭され、翻意。旧知のトニー・ブラウン現日本代表アタックコーチに代表復帰への思いを告げると、2019年に兄弟チームのサンウルブズでプレーするよう勧められた。サンウルブズが加わる国際リーグのスーパーラグビーは、ニュージーランド時代に立ちたくても立てない舞台だった。不思議な巡り合わせの末に踏んだ夢のステージで、トンプソンはあくまで「私の仕事」としてタフなタックルを放ち続ける。
そして8月には、すっかり日本代表のレギュラーに戻った。本人は、己に言い聞かせるよう強調する。「まだ(ワールドカップの)メンバーはわかれへん。目の前の仕事にフォーカスね」順当に試合に出続ければ、大野均が持つテストマッチ(代表戦)最年長出場記録も更新しそう。もっとも東大阪で育った「トモさん」は、記録よりも「私の仕事」の質向上に力を注ぐ。傷だらけになってでも、欲しいものを掴み取る。
パワー: | |
スピード: | |
テクニック: | |
経験: | |
タフネス: |
NEWS
ニュース
-
【ラグビー】女子7人制日本代表ヘッドコーチに兼松由香さん 名古屋レディース出身 2002年の15人制W杯に19歳で出場、7人制でもリオ五輪出場
中日スポーツ 8月13日 13時14分
-
ベテラン記者コラム ラグビーW杯3連覇を目指す南アフリカ 懸念される〝高齢化〟をどう抑えていくか
サンケイスポーツ 8月12日 17時00分
-
ラグビー女子日本代表、歴史的勝利まであと一歩…強豪国の一角・アメリカと引き分け【太陽生命CS第1戦】
中日スポーツ 8月11日 22時21分
-
タックルさえたサクラフィフティーン 米国に惜しい引き分けで初勝利はお預け
サンケイスポーツ 8月11日 20時10分
-
世界1位の南アフリカが敵地で快勝発進 オーストラリアを33−7で破る 南半球4カ国対抗
サンケイスポーツ 8月10日 15時52分
STANDINGS
順位表