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注目選手紹介
ジェーコブ・ストックデール
アイルランド
注目ポイント!今大会を代表するライジングスター
アイルランド代表と予選同組になった日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチが「ハイコンテストボール」の話を持ち出すことがあった。タッチライン際の仕留め役、ウイングの選考についてだ。
「今回のW杯で対戦するアイルランド代表はハイコンテストボールを蹴ってきて、空中戦でプレッシャーをかけてくると想定される」
その延長で、今度のジャパンではタッチライン際における空中戦で競り勝てそうなメンバーを選びたかったと強調。小柄ながらバネのある福岡堅樹などのほか、それまで招集していなかった長身のアタアタ・モエアキオラも隊列に招いた。頭の片隅には、アイルランド代表の背番号11が浮かんでいただろう。
ジェーコブ・ストックデール。23歳。身長191センチ、体重103キロと、他国のフォワードに近い体格の新星だ。スクラムハーフのコナ・マレーが左タッチライン際の接点の後ろからハイボールを蹴れば、その弾道を追いかけクリーンキャッチ。防御の混とんをまねくうち、迫力あるアイルランド代表の攻めが加速する。
もっともストックデールの凄みは、ジャンプ力と捕球力に止まらない。何せトライが取れるのだ。普遍的なウイングの仕事ができる選手、とも言える。持ち場のタッチライン際でチャンスを待って、待って、誰もいない一本道を走る。持ち場と逆側のサイドに回り込んで、タックラーとタックラーの間のわずかなひずみに駆け込んでインゴールに迫る。流れに応じてトライチャンスに顔を出せる資質は、一言で嗅覚と片付けてよいのか、事前準備と瞬時の閃きの化合物と捉えてよいのか。
アイルランド代表の攻撃ラインには、グラウンド中央部の壁を力と速さで網をこじ開けるインサイドセンターのバンディ・アキなど多士済々。ストックデールが多彩な個性とシンクロするさまは、ファンを楽しませそうだ。2018年には伝統の欧州6カ国対抗戦に初出場し、シーズン最多となる7トライを奪取した。ここでは9年ぶり3回目の全勝優勝を遂げたチームの華として、大会最優秀選手にも輝いている。初出場となる2019年のワールドカップでも、日本代表にとっての脅威になると同時に大会を代表するライジングスターともなりうる。
(文=向 風見也)
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