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注目選手紹介
トゥシ・ピシ
サモア
注目ポイント!生活態度でも規範を目指すベテランファンタジスタ
24歳でサモア代表としてデビューしたトゥシ・ピシは、長らく首脳陣の信頼を勝ち取っている37歳のベテラン選手だ。今夏のパシフィック・ネーションズカップのメンバーには名を連ねなかったが、ワールドカップ日本大会のメンバーには名を連ねた。几帳面なファンタジスタで、日本でもプレー経験がある。
身長180センチ、体重93キロの体で、ボールをもらえばトリッキーなステップ、パスでトライを演出し、観客を驚かせる。サモア首都のアピアで生まれ育ち、ラグビー強豪国であるニュージーランドの高校を卒業。ニュージーランドの同国州代表選手権に出るノースハーバー、ニュージーランドからスーパーラグビーへ加わるクルセイダーズ、フランスのトゥーロンを渡り歩いた。
日本との縁ができたのは2010年。サモア代表としてワールドカップ第7回大会に出る前年のことだ。国内トップリーグのサントリーの一員として、2012年のプレーオフでMVPを獲るなど活躍。一時はスーパーラグビーのハリケーンズに渡りながら、長らく列島のファンを楽しませてきた。現日本代表のインサイドセンターである中村亮土は、国内所属先のサントリーでプレーしたピシの印象をこう語ったことがある。
「コミュニケーションをよく取ります。練習中のプレーから、休日に何をしていたかまで」
2015年のワールドカップ第8回大会では日本代表に敗れたものの、その翌年にはスーパーラグビーに日本から初参戦するサンウルブズへ加入。サントリー時代の恩師だったエディー・ジョーンズ氏のリクエストに応えた格好だ。
プレシーズンキャンプでは皆の前で「俺はラグビープラスという考えを大事にしている」と宣言。全力でプレーするのは当然として、施設をきれいに使ったり、ものを大切にするといった生活態度でも規範となりたいという意味だ。グラウンド外でも丁寧に生きようというさまは中村の発言とも重なる。
「チームに加入したきっかけはともかく、最初の試合に向けたプロセスを充実させたい」
初代サンウルブズの司令塔になったピシはこう語り、開幕節でペナルティーゴールを決めてクラブ初の得点者になった。シーズン終了後はイングランドのブリスドルに渡ったが、離日時は水道栓もガスの元栓もきっちりと締めてマンションを出たという。
日本でのワールドカップでは、またも日本代表と対戦。決着がついてからは何と、豊田自動織機に加入予定。2016年以来の日本復帰を果たす。「ラグビープラス」が身上のアイデアマンに、熱視線が集まる。
(文=向 風見也)
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