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注目選手紹介
ヤンコ・フェンター
ナミビア
注目ポイント!一級品の懐の深さ
長い防御の時間を耐え、少ない得点チャンスをものにしたい。そんなナミビア代表にあって、主将のヤンコ・フェンターは浮沈の鍵を握る。フィル・デーヴィスヘッドコーチの全幅の信頼を経て、2度目のワールドカップに挑む。
主にロック、フランカーなどに入る25歳のフェンターは、身長194センチ、体重109キロという恵まれたサイズの持ち主。2013年の代表デビュー以来、2015年のワールドカップイングランド大会などでもキャリアを積んできた。
攻撃中は、防御の並んだ所へ前傾姿勢のクラッシュ。ゲインライン(攻防の境界線)を強引に前へ押し込む。何より懐が広く、タックルされながらも細かくステップを刻んだり、オフロードパスでチャンスを作ったりもできる。スペースのある場所でボールをもらえば、スピードをつけて自在にランニングコースを描いてノーマークの味方へパスを放つ。もちろん、目の前にわずかでも隙間があれば一気にトライを狙う。もしもフェンターが攻撃ライン後方でチャンスをうかがっていれば、相手防御は早急にチェックをしなくてはならない。
懐の広さは防御でも活かされる。遠くから走り込んできたランナーも低い姿勢で肩をぶつけ、着実になぎ倒す。一発、一発のタックルの威力も世界レベルで、劣勢時にも持ち味を発揮する。
アマチュア選手の多いナミビア代表にあって、2018年からはイギリスのジャージーレッズというチームに入り、同国プロの下部リーグにあたるRFUチャンピオンシップへ挑んでいる。インターナショナルレベルのみならず、クラブレベルでも国際経験を積んできた。
今度のワールドカップ日本大会では予選プールBに入った。ニュージーランド代表、さらには南アフリカ代表という優勝候補と同組だ。さらには着実に強化を重ねるカナダ代表、イタリア代表ともぶつかる。厳しい戦いを強いられそうだが、劣勢の予想されたゲームでも激しく身体をぶつけてきたのがナミビア代表の勇敢な歴史。若きフェンターもその系譜をたどり、スタンドを熱くさせる。
(文=向 風見也)
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