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注目選手紹介
タイラー・アードロン
カナダ
注目ポイント!豊富な国際経験を誇るカナダラグビー界のパイオニア
1981年生まれのタイラー・アードロンは、2015年のラグビーワールドカップイングランド大会でカナダ代表の主将として活躍。身長193センチ、体重110キロというがっしりとした体躯で、空中戦で活躍するロック、地上戦で光るフランカーやナンバーエイトとフォワードの複数ポジションをこなせる。海外組が増え続ける同代表にあってもひときわ国際経験が豊富で、2度目の出場が期待されるワールドカップ日本大会でもタフな働きが期待される。
広大な自然が広がるオンタリオ州はレイクフィールドで育ち、バレーボール、バスケットボール、ラクロス、ホッケーと何をやっても一級品。バスケットボールのコーチに見出されてラグビーを始めるや、持てる才能を開花させた。2011年のワールドカップニュージーランド大会で惜しくも選外に終わると、アマチュア主体だった当時のカナダにあって珍しく、プロ選手になると決意した。2012年6月に代表デビューを飾った勢いのまま、ウェールズの名門クラブ・オスプレイとカナダ人史上2番目となる契約を果たす。
さらに前回のワールドカップイングランド大会が終われば、活躍の場を南半球に移す。2018年、ラグビー王国ニュージーランドの名門チーフスとサイン。当時同国をはじめ計5か国が参加していたインターナショナルプロリーグ、スーパーラグビーに挑んだ。カナダ人でスーパーラグビーに参加したのは、アードロンが初だった。
2017年限りで退団したリーチ マイケル(日本代表)の穴を埋める形で加わったアードロンは、サム・ケイン、ブロディ・レタリックといったニュージーランド代表フォワードとトレーニングを重ねながら、デビューイヤーから定位置争いに参加。防御の薄いタッチライン際で快走を飛ばしたり、敵陣深い位置での接点周辺で分厚い防御をぶち破ったりとランナーとして際立ち、キックオフ、ラインアウト、モールの局面でもジャンプ力と腰の強さを活かした。ワールドカップイヤーとなった今季もトライを決めるなど活躍。今後もクラブに戦力として期待される。
発展途上のカナダのラグビー界から、世界に市場を開拓したパイオニア。日本サッカー界でいう三浦知良、日本人メジャーリーガーにおける野茂英雄のような存在と言えよう。ワールドカップ日本大会では、ゆかりの深いニュージーランド代表と予選プールでぶつかる。気後れせずに立ち向かいたい。
(文=向 風見也)
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