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注目選手紹介
マティアス・オルランド
アルゼンチン
注目ポイント!槍のように鋭い、圧巻のタックル
ラグビーの命はタックル。ボールを持って走る相手にぶつかって、倒す。勇気の象徴とされるこのプレーがきれいに決まれば、チームメイトのボルテージは増す。
赤丸急上昇中のアルゼンチン代表にあって、そのタックルで際立つのがマティアス・オルランド。アルゼンチン代表は伝統的にスクラム、高いパント攻撃、鋭い出足の組織防御に活路を見出しているが、近年はスクラムで強豪国に苦戦気味。現状でもっともぶれない芯のひとつが守りであり、その領域で光るのが27歳のオルランドなのだ。アルゼンチン北西部のトゥクマン州に生まれ、2012年に代表デビュー。点を取るウイングやチャンスメークをするセンターとして活躍してきた。
チームが4強入りした2015年のワールドカップイングランド大会には出られなかったものの、2016年からはスーパーラグビーにアルゼンチンから参加のジャガーズに入ってキャリアを重ねる。まもなく攻撃中枢とウイングを繋ぐアウトサイドセンターでレギュラー入りし、抜群の脚力で防御網を破ってきた。何より、守備ラインから思い切りよく飛び出して決めるタックルは圧巻の一言だった。
2019年には、ジャガーズはスーパーラグビーのプレーオフで準優勝。新興チームの快進撃は、直後のワールドカップ日本大会でのアルゼンチン代表への期待感を高めた。その戦いのさなか、オルランドは激しいタックルを連発。攻めても勝負どころでトライを決め、自然な流れで日本大会のアルゼンチン代表に名を連ねた。
初参加となるワールドカップでは、優勝候補のイングランド代表、欧州6強に入るフランス代表などと予選プールで同組。周囲から「死のプール」と言われている。
もっともアルゼンチン代表は、昨今のスーパーラグビーでの成功と相まって大会注目チームのひとつとされている。オルランドは、フランスでプレーする司令塔のニコラス・サンチェス、ジャガーズで主将だったヘロモニ・デラフェンテらとの強力フロントスリーの結成が期待される。フルバックのエミリアノ・ポフェリのロングキックが飛んだ先で、槍のようなタックルを突き刺したい。
(文=向 風見也)
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