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注目選手紹介
シアレ・ピウタウ
トンガ
注目ポイント!爆発力で防御を突き破る、仲間思いのキャプテン
日本と同様に年長者を敬う傾向が強いトンガのラグビー界は、1970年代後半より多くの選手を日本に輩出してきた。留学生として来日してそのまま日本代表となる選手も、キャリアを重ねた状態でやって来てそれぞれの所属先でインパクトを残す選手もいた。
ワールドカップ日本大会でトンガ代表の主将となるシアレ・ピウタウは後者にあたる。ニュージーランドのオークランドで育った33歳は、まず2006年から地域代表選手権のマヌカウ代表として足跡を刻む。さらに2010年以降はニュージーランドのチーフスやハイランダーズの一員として、国際リーグのスーパーラグビーへ参加した。
スーパーラグビーでは怪我などにも泣かされたが、国を変えれば存在感を発揮した。2012年からの4シーズン、日本のトップリーグのヤマハでプレー。当時の清宮克幸監督(現日本ラグビー協会副会長)の唱える「ヤマハスタイル」に倣い、ボールを大きく動かすなかでの中央突破を任された。外国人枠の都合で出場機会こそ限られたが、試合中の選手交代で日本代表(当時)のマレ・サウと組んだコンビは強烈な印象を残した。ちなみに最後尾のフルバックには、のちに国民的英雄となる五郎丸歩がいた。
現在イングランドのブリスドル・ベアーズに在籍するピウタウは、身長185センチ、体重100キロのインサイド、アウトサイド両用のセンタープレーヤー。持ち前の爆発力で防御を突き破り、インパクトを残す。大外には元オーストラリア代表の巨漢ウイングであるクーパー・ブナ、攻撃の起点には駆け引きに長けるスクラムハーフのソナタネ・タクルアがいるだけに、組織がかみ合うほどそのランの脅威を発揮できそう。
日本代表となった同胞たちへは、「どこの国の代表になるのであれ、彼らの家族にとっては喜ばしいことだ」とエールを送るピウタウ。スタンドオフのカート・モラスとともにワールドカップ3大会連続出場となる主将は、先人や同胞へ敬意を抱きつつ、大会の開幕を静かに待つ。
(文=向 風見也)
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