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注目選手紹介
カートリー・ビール
オーストラリア
注目ポイント!電光石火の突破力
ひとつも過ちを犯さなかった、わけではない。若手時代には飲酒運転や不適切発言などで物議をかもしてきたが、その電光石火の走りは価値を失わない。2019年、30歳となったカートリー・ビールは、ワラビーズことオーストラリア代表の熟練戦士としてワールドカップ日本大会に挑む。
オーストラリアの先住民アボリジニの血を引き、高校在学中の16歳で母国の強豪ワラターズとサイン。高校を2007年で卒業するや、18歳の若さで国際リーグのスーパーラグビーでデビューを果たした。ワラビーズでデビューを果たしたのは2009年で、翌2010年にはオーストラリア年間最優秀選手に輝き、IRB(現ワールドラグビー)の年間優秀選手にもノミネートされた。4年に1度のワールドカップへは、これまで2011、2015年に2大会連続で出場中だ。
身長186センチ、体重93キロ。おもにインサイドセンターに入って突破力を活かしてきた。球をもらうや防御の隙間をえぐり、自らトライを量産できる。一方でキックとパスを放つ判断にも長けるため、時に司令塔のスタンドオフも任される。今度の日本大会に向けては、突然の契約解除が決まったイズラエル・フォラウの穴を埋めるべく最後尾のフルバックに入りそうだ。
ちなみに2017年11月には、横浜での日本代表戦でフルバックとして先発している。前半32分頃には、鋭い出足の防御網の背後へ鋭角に駆け込み、ボールをもらうや大外の大きなスペースへパス。トライをお膳立てした。
「自分に課されていた、ディフェンスへの宿題をきちんとやっただけです。日本代表のラインスピードは速かったし、プレッシャーもあったけれど、スペースを突いてトライに繋げられました」
マイケル・チェイカヘッドコーチ率いる今回のワラビーズは、スタンドオフでバーナード・フォーリーとクリスチャン・リアリーファノを競わせていて、他のバックス陣でも今度が4大会目となるアダム・アシュリークーパー、アイランダー系ランナーのサム・ケレヴィなど多士済々。ビールはロングキッカーのデイン・ハイレットペティとともにフルバックの座を争う。出番を得れば、平常心で持ち味を発揮しそうだ。
(文=向 風見也)
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