SCHEDULE
日程・結果
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2019.9.28(土) 16:15Kick off 静岡スタジアム・エコパ
プールA
日本
19 - 12 試合終了
アイルランド
ハイライト動画
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戦評
奇跡か必然か。そう問うこと自体が野暮かもしれない。ラグビーワールドカップに挑む日本代表が2大会連続で強豪国を下した現実と、それぞれの背景が史実として残るだけだ。
9月28日、静岡・エコパスタジアムでは日本大会の予選プールAの試合があった。4年前のイングランド大会で過去優勝2回の南アフリカ代表を倒している日本代表は、当時と異なる体制で2018年欧州王者のアイルランド代表を撃破。公式で「47,813人」のファンは幸運な瞬間を五感で味わった。
4年前の一戦が世界的名将のエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチによる緻密な計画、1日複数回の猛練習に取り組んだ選手の献身、相手の大いなる弛緩に支えられたのに対し、今回は「信念を持ってやりました」と猛タックル連発のフランカー、ピーター・ラブスカフニゲーム主将は言う。
以前より選手主導の色合いを濃くし、準備期間はジョーンズ時代を上回るという強度のトレーニングで怪我人を出しながらも奮闘する。
ワールドカップ突入後も開幕戦で交通渋滞に巻き込まれるなどホームアドバンテージの活用に難儀するなか、リーダー陣がトニー・ブラウンアタックコーチらの落とし込む戦術を自分たちなりに咀嚼。絶対的司令塔を欠いていたとはいえ、決して日本代表を侮っていなかった強豪国(指揮官のジョー・シュミットは日本代表の選手の特徴をそらで覚えるほど詳細に準備)を、ラブスカフニらによる鋭い出足の防御、ボールキープに比重を置いた攻撃プラン、一枚岩のスクラムなどで跳ね返した。
マン・オブ・ザ・マッチに輝いたフッカーの堀江翔太は、記者との問答のなかでこう述べた。
「(ワールドカップでの)相手がわかってから、僕はそれを意識して練習に励んできたので、いい結果が出せてよかったと思います。(自身も出場した南アフリカ代表戦と比べ、嬉しさは)一緒くらいですよ。…あ、いまのほうが嬉しいかもしれないです」
ラストワンプレー。アイルランド代表は、日本代表に12―19でリードされていたにも関わらず球をタッチラインの外へ蹴る。負けたまま試合を終わらせたのは、7点差以内の敗北で得られる勝ち点1を確実に確保するため。これで予選各組上位2チームが進める決勝トーナメントへの道が、より複雑化した。
例えば現在総勝ち点6のアイルランド代表が残り2試合で勝ち点5(勝利ポイント4+4トライ以上獲得によるボーナスポイント1)を取れば累計16。総勝ち点9の日本代表がこれを上回るには、残り2試合で8以上の勝ち点を得なくてはいけない。ボーナスポイントに関わらず2勝すれば勝ち点8を得られるが、最終戦はアイルランド代表とともに欧州6強の一角をなすスコットランド代表。現在アイルランド代表に敗れて勝ち点0だが、日本代表との試合までに勝ち点10を得たらそのまま日本代表へのプレッシャーはより増幅する。
「あまり先のことは考えない」と、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ。ラブスカフニのいう「信念」に沿い、一戦必勝の構えを貫く。
(文=向 風見也)
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