日本代表と「桜」つぼみから満開、受け継がれる重み (朝日・日刊スポーツ)
2019.9.19(木)
ワールドカップ(W杯)へ準備を進める日本代表のジャージー左胸には、桜のエンブレムが描かれている。その起源は1930年(昭5)9月、ブリティッシュ・コロンビア戦(カナダ・バンクーバー)。日本ラグビー初となる代表チームが付けた「桜」は、つぼみ、半開き、満開だった。それから約90年。現在は満開となった「桜」の重みを背負い、31人は20日開幕のW杯日本大会を戦う。
つい1カ月ほど前、60~70年代の日本代表エースWTB坂田好弘(76=関西協会会長)は言葉を失った。赤と白の横じま、左胸にはエンブレム。それはレプリカで見ていた、つぼみ、半開き、満開の「桜」だった。
坂田 昔から日本は小さかったけれど、我々の時代も、代表として「桜」に誇りを持って戦ってきた。まさか、日本で最初のジャージーが残っているとは…。
現在、世界遺産の下鴨神社(京都市左京区)資料館「秀穂舎」に展示されているジャージーは、1930年9月のカナダ遠征で着用された。同遠征メンバーで84年に死去した鈴木秀丸のものを、息子の武村秀夫(元法大監督)が大切に保管してきた。坂田はそのジャージーを見つめると、73年10月の英国遠征(ウェールズ、イングランド戦)前、元監督の大西鉄之祐から聞いた話を重ね合わせた。つぼみのジャージーを手にした大西に「これが、なぜつぼみか分かるか? 先輩方は『(ラグビーの母国である)イングランドと戦う時に満開にしよう』という思いだった」と説明された記憶がある。
坂田 その時の大西さんの話で、初めて桜の物語を知った。「すごいな」と思って、鮮明に覚えている。
なぜ、桜だったのか。……
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