ラグビーと外科医 福岡堅樹の人生変えた医師の支え (朝日・日刊スポーツ)
2019.9.20(金)
開幕が迫るワールドカップ(W杯)でトライ量産が期待される日本代表WTB福岡堅樹(27=パナソニック)。50メートル5秒8のスピードスターが歩んできたキャリアは、けがとの闘いだった。支えとなったのは福岡高時代に両膝の手術を受けた「まえだ整形外科 博多ひざスポーツクリニック」院長の前田朗氏(57)。日本の翼に、選手としての飛躍のチャンス、整形外科医を目指すきっかけを与えた出会いに迫った。
2010年12月30日、大阪・花園ラグビー場第3グラウンドで行われた全国高校大会2回戦。寒風が吹くピッチの右サイドで、福岡が右膝を押さえてうずくまった。対戦した大阪朝鮮高に大きくリードを許した後半17分、50メートル5秒8の快足で、ライン際を抜けようとした時だった。タックルを受け、踏ん張ろうとした膝に、体を支えるだけの力は残っていなかった。
グラウンドドクターを務めていた前田は、その瞬間をわずか数メートル先のピッチサイドで見ていた。「だめだ」。これ以上プレーできないことはすぐに分かった。……
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